2013年10月20日日曜日

10月8日 USTR TPP説明会の質疑応答

USTR TPP(環太平洋経済連携協定)説明会
インドネシア、バリ
2013年10月8日

<前半部分省略>

政府高官:首脳たちは、今年中の交渉妥結という目標を再確認した。進展の状況によって日程は決まる。期日を守るためだけに都合の悪い協定に合意する者はいない。野心的ではあるものの可能な目標だというのが大方の見方と思われる。先週、またそれ以前も含め、今年の夏以降のマレーシア、ブルネイでの交渉ラウンドなどは実り多きものとなり、さらにブルネイでの閣僚会合とこの会合を通して進展が見られ、残る課題への対処にもはずみがついた。

貿易協定(の交渉)は、もっとも困難な問題が最後まで残るものだ。各国は大詰めになって問題の複雑さを認識し始めているのだろう。交渉担当官たちはこれらの問題に協力して取リ組み、独創的な解決法を見つけ出そうとしている。

質問者:では来年にかかる可能性もあるのか?

政府高官:その、-今年中にまとめるのが目標。

質問者:わかりました。

質問者:米国から見た場合、残された課題の中でもっとも難しいと思われるものは何か?それらを克服するための論拠は?

政府高官:どの章にも未解決の問題はあるが、これは貿易協定というものが全ての合意後初めて最終合意に達することによるものだ。交渉の様々な側面は最後にまとまる。パートナー諸国と共に新たな規律を構築し、貿易と投資に影響を与える広範な課題に確実に対処しようと取り組んでいるのが国有企業や知的所有権、環境の章である。つまり、新たな規律を定めるために我々は協力して作業をしている。他の協定から利用可能な枠組みを移せるような分野ではなく、協力し合って新しいものを作り上げていくしかない。

質問者:今の件について --
質問者:すいません、ただいまおっしゃったのは国有企業、環境、3つ目はなんでしたっけ --

政府高官:知的所有権です。

質問者:知的所有権、わかりました。知的所有権ですね。レズリーが話したことについて。マレーシアなどの何人かの首脳は(妥結が)不可能だと言っていると指摘した。マレーシアの大臣がはっきりと、我々は年内にこれをまとめることができないと表明しており、その理由の1つとしてブミプトラ政策があると理解しているが。

政府高官:どの国にも慎重に扱わなければならない問題があり、交渉の目的はそれらの問題に対して柔軟、且つ、的確に対処しながら克服しつつ、新たな規律のもと高度な基準を確立する方法を見出すことである。

質問者:では例えばマレーシアぬきで、あるいは日本[聞き取れず]ぬきで合意に達することもありうるのか?

政府高官:(質問者は)見逃したのかもしれないが、いま、ちょうど全首脳が出席した会合が終了し、年内に交渉をまとめようという目標を再確認し、合意したところだ。 それが目標であり、目指しているところだ。繰り返すが、大胆な目標であり、複雑な問題があるものの目指している目標はそれである。

「翻訳省略」

質問者:では最終合意まであとどれくらいか?

政府高官:[聞き取れず]

質問者:要するに、--

質問者:2カ月ですよね。

政府高官:はい。(会場:笑い)

質問者:そこが問題なのではないのか?2カ月ですよ?

政府高官:目標は2か月半です。(会場:笑い)

政府高官:いや、だってそうでしょ。ね。


質問者:2か月半ではだめだと思うが。

政府高官: -- 難しいことではある。TPPには29もの章があるのだから。

質問者:その通りですよね。

政府高官:すべての点について合意しない限り、合意というものはない。我々にはあらゆる問題に対して道筋が確保されている確固たる作業計画があり、最終的に均整のとれた包括的なパッケージがまとまるよう、様々な課題を並行して進捗させる。そして様々な問題に対応して交渉が進行中である。

大胆な日程で、複雑な問題もある。各国は残る課題の込み入った部分に注力しているのではないか。特に驚くべきことではない。貿易交渉の最終段階では、各国政府は最も困難な課題に(作業を)集中するし、それが今の我々である。しかし、多大な努力と、献身的な作業、継続的な取り組みによりこれらの問題解決をはかっている。

質問者:例えば様々な点で失敗しているドーハには無く、この協定にはある秘密が何かあるのか?12カ国は発展段階も経済形態も多様であるにもかかわらず、より野心的な協定を結ぼうとしている。ドーハが失敗に終わっているなか、TPPをどうやって今後2カ月で成功させようというのか?

政府高官:とても良い質問です。我々からすると、ドーハが失敗したのは主要な新興経済国が世界経済の中で果たす役割に見合った関与を拒んだから。つまり、サービスや製造品へのアクセス等の分野において、国際競争力を様々に反映させる形で経済を解放することを拒んだ。そのようななかで包括的なパッケージを見出すのは無理があった。

ここ2、3年の間に我々ができたことは、国際社会を巻き込むことだった。現在は、交渉が前向きになることを願いつつ、ドーハでの個々の課題を進展させる斬新で現実的な手法に的を絞ろうという国際社会の総意ができている。ここバリでのWTO閣僚会議まで2カ月となったいま、貿易促進を中心に据え、農業や開発についても含まれる包括的なパッケージの輪郭が明らかになっている。これについては昨日のAPEC首脳会議でも議論され、WTO(世界貿易機関)の事務局長が今週初めにいたときにも、APEC大臣間の会談で議論になった。我々の貿易交渉担当官の多くが、このパッケージの取りまとめに尽力している。

「翻訳省略」

質問者:どのようにしてベトナムやシンガポールと最高の基準を確立することができるのか?

政府高官:これらの国々がTPPに参加する以前、そして我々自身がTPPに参加する以前、P4と呼ばれていたころ、我々は高度な基準の協定を結ぶという目的について厳格な協議を行った。ベトナムを例にとれば、国有企業の問題は確かに難しいが、ベトナム政府との協議の中で、彼らが国有企業セクターの改革を求めており、TPPはその目的に沿うものと見ている、ということを彼らが明確にした。日本の首相も今日の会合で、(日本国内の)経済改革政策にTPPがいかに合致するかということを話していた。つまり、TPPに参加する理由として、TPPは各国が追い求めているよりさらに大胆なもくろみの達成を助けるものである、という面も一部あると思う。

質問者:それは改革の、ということですか?

政府高官:課題による。市場アクセスの改革、市場統合など。高度な基準と規律を持つ協定を目指し自主的に集まったグループだ。

質問者:本日の会合において、例えば大統領が欠席したため欠けてしまったものはあるか?

政府高官:そうですね‐

質問者:どんな事でもいいが、もしも大統領が出席していたらもっと進展が望めたであろうものはあったと思うか?

政府高官:大統領がいなかったのは確かに残念だったが、ケリー国務長官に代理で出席していただいたのは幸運だった。それに我々同様、そこに的を絞っている他の首脳達と共に先週の会合の勢いをそのままに保つことができたと思う。

「翻訳省略」

質問者:あるインドネシア政府役人が、TPPに注目が集まってしまうのをあまり快く思っていないこと、実質的にはTPP交渉の場を公式会場から他へ移したこと、そして12月にはここバリでもう交渉は行って欲しくないことを明らかにしている。これには一体どのくらい真実が含まれているのか?

政府高官:インドネシアの皆さんはAPECにおいて素晴らしい仕事を成し遂げたと思う。APEC首脳会議だけでなく年間を通じたAPEC関連の諸活動をも運営し成功裡に終わらせている。私は非常に成功したと考えている。そして12月になってここで閣僚会合、WTOの閣僚会合を開催するときも成功するだろうと思っている。我々と彼らはその面で非常に緊密に協力していて、その上当然他のTPP参加国ともやり取りをしていり。

アメリカ合衆国政府は、全省庁にわたり深くこれに携わっている。APECとの関わりにおいては国務省と米国通商代表部が主導しているが、議題が広範囲にわたり、多数の政府機関が関わってくるし、インドネシア側の意図も支持するように努力している。

国務省高官:[聞き取れず]これが本当に最後の質問になります。

質問者:どうも、ありがとうございます。(会場:笑い)[政府高官へ]ありがとうございます。

政府高官:これが最後の質問ですか?それとも最後から二番目?

質問者:最後から二番目です[聞き取れず]。いや。失礼。

年内にまとまる見通しがついていると全員が表明していることは知っているが、これはマレーシアの大臣の公の発言や、テレビで数回にわたって、あるいは記者会見で言っていることと完全に矛盾している。そこで自分が考えていることは、ブミプトラ政策に関してマレーシアに、あるいは農業に関して日本等にある種の保証を与えているのではないか?ということだ。年内妥結に間に合わせるために、ある参加国に対して、これこれに関しては大丈夫ですよ、というような保証がなされたのか?それとも、年末になんらかの取り引きがあり、12カ国のうちの何カ国かは問題が解決し次第、加入するというような可能性があるか?

政府高官:マレーシア首相のその言葉というのは私はまだ見ていないが。

質問者:いや、首相ではなくて通産大臣です。

政府高官:ああ、通産大臣ですか‐

質問者:ええ、お送りしましょうか。

政府高官:‐で、そのことに関して‐

質問者:無理だと言ってました。

政府高官:首脳達の間で、交渉の現状、これまでの成果、今後対処すべき課題について、とても有意義な議論があった。取り組まなければならない複雑な課題がいくつかあることは明らかである。先ほど申しあげたように、我々が交渉のどの段階にいるかということ考えると、これは特に珍しいことではない。最終段階に入って大詰めを迎えると、残された課題に議論を集中させるのだ。

実質的には、どの国も優先課題や慎重な扱いが求められる課題がある。マレーシアにもあるだろうし、日本やアメリカもしかり。交渉の目標は、これらの課題に対処しながら達成しうる最高の基準を確立することだ。

私が言えることは、繰り返しになるが今年中に交渉を終結させるという目標を、首脳たちが肯定しているということ。大胆な日程であること、対処を迫られている複雑な問題が存在していることは認識されていて、これらに焦点が絞られ始めている段階だとということだ。ただ期日を守るためだけに自国の利益と一致しない協定に署名する国は無いだろうし、最終的には交渉の実体が日程を決定すると確信している。

「以下翻訳省略」

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