TPP交渉を書簡する甘利 明経済・財政再生相が乳製品とニュージーランドが大筋合意先送りの主因だとしているのは、奇妙にも日本の自動車業界にとって不利益となることを批判しないのは不思議です。まるで、日米の身勝手な、そして稚拙な交渉主導が起こした対立を目立たないようにしているとのではないかとさえ思われてしまいます。(翻訳: 戸田 光子/監修:廣内 かおり)
カナダ、メキシコの自動車部品メーカーがTPPからの離脱を警告
(オタワーグローブ・アンド・メイル紙/2015年8月23日(日)付け→8月24日(月)最終更新)
合計で100万人近くの労働者を雇用するカナダとメキシコの自動車部品メーカーは、当該分野にとってのよりよい条件がないままTPPが決着されれば、製造業の雇用に悲惨な結果をもたらす、と警告している。
彼らは、日本政府が環太平洋の貿易協定をつくるための協議で模索している譲歩案について心配しているのだ。その譲歩案は、日本の自動車メーカーがTPP非参加国からかなりの部品を調達して、自動車と自動車部品を北米に無税で輸出することを許すことになるものだ。
カナダのエド・ファスト貿易相とメキシコのイルデフォンソ・グアハルド・ビジャレアル経済相に宛てた8月20日付けの書簡の中で、自動車部品メーカーはカナダとメキシコの政府がよりよい取決めを結べないならば、この分野は深刻な損害を被るだろうとの懸念を述べている。
「この条項が施行されれば、我々の企業と労働者は北米市場において競争力で不利な立場に置かれるだろう。我々の北米地域における事業に深刻な損害を与え、我々は事業を著しく縮小することを余儀なくされる可能性がある」と、カナダ自動車部品製造業協会(APMA)のフラビオ・ヴォルプ会長とメキシコの全国自動車部品製造業協会(Mexico’s Industria Nacional de Autopartes)のオスカル・アルディン執行副会長は書いている。
チリから日本まで広がる12カ国間の環太平洋交渉を先導している米国は、NAFTAの相手国であるカナダとメキシコに相談を持ち掛ける前に、暫定的に日本の要求に同意した。
カナダとメキシコの政府は、先月ハワイで行われたTPP交渉のマウイ会合の時にこのことを知ったのであり、このことが、米国政府が望んだように協定を妥結させる上で、大きな障害となることが明らかになった。
カナダ、メキシコそして米国の交渉官は、行き詰まりを打開するためつい先週(8月20日)も協議をしている。伝えられるところによれば米国は、米国における国内自動車販売台数がTPP違反のために落ち込むことがあれば、その時には、米国政府が日本車に対して関税を復活させることができるように、米国自身のための緊急措置を交渉している、とのことである。
カナダの高官は、TPPの自動車協議で自分たちにとって最大の問題の1つは、このことに関する米国と日本の政府間の暫定合意によって、輸入される部品及び車両により低いTPP域内部品調達率を許容するという、一連の適用除外が取り決められたことだと言う。
現在NAFTAの規定では、1台の自動車の62.5%がカナダ、米国あるいはメキシコに由来するのであれば、その3カ国へ課税なしに輸出することができる、と決められている。
カナダとメキシコの自動車分野の高官が求める最低限のTPPの部品調達規定は、消息筋によれば、交渉が行き詰まる前に日本と米国が暫定的に合意したという、部品では30%、軽量自動車(訳注:普通乗用車、バン、スポーツ用多目的車(SUV)などに相当する)では45%より高いというものである。日本の自動車メーカーは、原材料や部品をタイなどTPP交渉に参加していない国々のサプライ・チェーンから得られるようにしたいのだ。
ヴォルプ氏とアルディン氏は、自分たちの業界は過去20年以上にわたりカナダとメキシコに相当な投資をしてきたと言う。このことが「雇用、経済生産高、そして今日NAFTA 3カ国市場の全貿易の20%を占める産業を通して、カナダ、米国そしてメキシコの経済に利益をもたらす、活力ある自動車サプライ・チェーンを構築してきた。」と言う。
書簡ではカナダとメキシコ政府に対し、域内部品調達比率が50%以下の物品がTPP諸国から無関税で入ることを許すような、自動車部品の輸入に対する規定で決着することのないよう求めている。
「我々は自由市場を信奉しているが、公正で競争的な環境を強く求める」と、両協会の会長らは書いている。
「TPP交渉が最終段階に向かって進んでいることもあり、北米3カ国の市場に活力ある製造業を求めるこの目標を達成するため、これから数週間くらいのあいだに、皆さんと協議する機会があることを期待している。」
ファスト貿易相の広報官は、カナダの自動車部品メーカーという、国の経済の重要部門から出された懸念にコメントすることを拒否した。
広報官のリック・ロス氏は、カナダ政府は利害関係者の話に耳を傾けている、と述べるだけだ。
「何度も繰り返してきたように、我々はメディアを通してこの協定を交渉しようとは思わない」とロス氏は語った。
「我々の目標は常に、我が国の全地域にわたって、我が国経済の全分野に利益をもたらす野心的な成果を確実に手に入れることだ。我々はその目的を追求し続けていきたいと思っている」とファスト貿易相の広報官は語った
「首相はカナダ国民の利益を最優先にする協定にしか署名はしない。」
環太平洋連携協定には、合計で世界の経済生産高の40%を占める国々が含まれるが、その協定を世に送り出すための交渉は、7月末にハワイで合意に至ることができなかった。
今月初めに、オーストラリアのアンドリュー・ロッブ貿易・投資相は、残る2つの大きな障害は自動車と乳製品の輸入に関してカナダ、米国、日本そしてメキシコの間で合意がなされていないことだと述べ、これら4カ国が意見の相違を解消することができれば、その時は「2,3日の協議でこれを完結させることができると思う」と語った。
(翻訳:戸田 光子/監修:廣内 かおり)
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■首藤信彦氏が分析を掲載(「TPP違憲訴訟の会」サイト)
http://tpphantai.com/info/20150901-problem-of-auto-rules-and-future-tpp-negotiations/
■(本記事の原文)
http://www.theglobeandmail.com/report-on-business/international-business/canadian-mexican-auto-parts-makers-warn-of-fallout-from-tpp-trade-pact/article26067376/
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