現地での各国交渉官による説明・質疑を直接窺える報告を掲載します。最初の部分はUSTRによる説明で、続いて質疑・ 各国交渉官の応答となっています。『異常な契約─TPPの仮面を剥ぐ(農文協)』編著者でニュージーランドのジェーン・ケルシー氏(オークランド大学教授)が説明会の模様をレポートしてくれました。(翻訳:田中 久雄、清水 亮子/監修:廣内 かおり)
ステークホルダー(利害関係者)説明会、サンディエゴ
2012年7月3日
2012年7月3日
交渉2日目のため報告事項は少ないが、7月4日が米国の祝日のため、多くの国、 特に米国の要望で行事が前倒しで行われている。私からは、今回の達成目標とこれまでの成果について大まかなところをお話し、 みなさんのご意見を伺いたい。
交渉2日目。昨日はさまざまな利害関係者のイベントを実施し、とてもうまくいった。 プレゼンテーションの要望についてもできるだけ配慮した。ダラスに 参加した人たちの大半は、新しい方法がいいと感じているようだった。ワシントンでは普段話す機会がない多くの方々とお話できたことは、とても有意義だったし、今後も議論を続けたい。発表してくれたた皆様には心より感謝したい。今後も利害関係者のさまざまな形式の要望に対応したい。
今のところの交渉では、多くの部会が会合を開始している。土曜日に始めた部会もあった。作業部会の数は29。時間も場所も限られており,すべてをつめ込もうとして日程的にはかなり込み入っているである。今日から今週一杯続く予定だ。
今のところ通商、CBS(Cross Border Services越境サービス貿易), 一般条項, テレコム(電気通信)、関税、法律問題、知的財産権、労働、MA(Market Access 市場アクセス)、CBが作業部会を開いた。
報告事項は多くない。本ラウンドの目的は、諸問題について見解の違いを排除 し、隔たりを埋めて交渉を進展させることである。本協定の合意に向けて 進展 させてほしいという(昨年11月の)APEC首脳陣の要求に応えられるよう、全力をあげている。
すでに交渉がかなり進み、終盤に差し掛かっている分野もあるが、まだ先の長いものもある。議論の多い問題についても、交渉妥結に向かっているものがある。多少物議をかもしている問題についても意見を取り入れるべく、多数の参加者が密度の濃い議論を続けており、できるだけ早く、多くの分野で決着をつけたい。
文書の交渉が続いているのと同時に、工業・農業・繊維の関税、サービス、投資に関連した市場アクセスと一般条項の交渉が続けられている。
問題ごとに異なるペースで進行している。分野によっては、交渉の後半に突入していくものもあるが、トレードオフが可能になるよう、すべての問題を平行して進める必要がある。章の横のつながりも認識しておく必要がある。
キャロライン (EFF): 知的財産の章、具体的にはTPM(Technical Protection Measures技術的保護措置)の条項について:TPM、情報や科学研究等へのアクセ スに関する政策と範囲、WCT(WIPO World Intelectual Property Right Organization WIPO Copyright Treaty著作権に関する世界知的所有権機関条約)とWPPT(WIPOPerformances and Phonograms Treaty実演及びレコードに関する世界知的所有権条約)の柔軟性と民事・刑事責任、に関する政策的選択について。文書のなかでまだ決定していない部分について、TPM条項と制限の次のステップはどうなるのか?
BWバ-バラ・ワイゼル(主席交渉官):明らかにとても難しい問題だ。ワシントンにいる利害関係者と米国が取り組んだ問題のあらゆる立場の利害関係者から話しを聞いてきたし、内外から情報をもらっている。米国は今週後半に条文を 提案するが、まず交渉国に送るため、議論は今週後半になるだろう。何らかのものを出し、議論の要求に応えるつもりだ。人々の見解にずいぶん耳を傾けてきたし、なんとか適切なバランスを模索しているところである。
著作権の制限と除外規定
ベトナム:特にマレーシア、ブルネイ、ベトナムといった途上国にとってはとても難しい問題だ。これまで利害関係者たちの意見を聞いてきたが、パブリックシティズンの資料にはとても感謝している。みなさんの意見が考慮されていることは確かである。利害関係者たちの利害を考慮した上で、どの立場の人にも受け入れ可能な解決策を探したい。
Deb(PHA):次の交渉ラウンドはいつどこでおこなわれるのか? APECサミットとの関係でどのタイミングになるのか?APECサミットはどうなると思うか?
BW :9月半ばだが、日程は現在最終調整に入っている。場所はまだ決まっていないが米国国内だ。APEC担当官と首脳らは、直前のAPECのためロシアにいるので、調整は簡単ではない。移動及び関連する諸準備が複雑になっており、ロシアと調整しながら解決しようとしているところだ。ロシアと調整がつけば、詳細についてわかるようにする。
3M -新しいパートナーのカナダとメキシコを歓迎する。両国はどのように(交渉参加に向けて)統合されるのか、またどのような影響が予想されるか?
NZ:ここまで交渉が進展している段階で2国が新しく加盟するかもしれないこと を考えると、重要なポイントが2点ある。現在の加盟国が(昨年11 月に)ホノルルで決着させたのと同程度の思いきった決断ができるかどうか、そして現在の 交渉の流れや進展を妨げるようなことがないか、という点である。カナダとメキシコの両国に関して、9か国はすでにどちらのケースについても、そして両国にとってもすべての加盟国が満足できるレベルにまで来ていると考えている。2国は、いったん関係各国が告知に必要な国内の手続きを完了させれば、適切なかたちで交渉に参加することになるだろう。
ローランド氏(コンサーンド・シチズン(憂慮する市民)):エイズ治療薬など の医薬品に関して、特許法のような非常に厳しい知的財産権保護がある 場合、 AZTのようなジェネリック薬の入手が困難になるかもしれない。それによりエイズ患者や、賃金が安くて高価な薬が手に入らない途上国の人たちなどに及ぼす 相当な影響について考えたことはなかったのか。一方、米国の製薬企業は厳しい特許法を求めて活動しており、ジェネリック薬が手に入らなくなるかもしれない。この件について交渉の中で考慮しなかったのか。
チリ:もちろん、ここにいる国々から幅広くさまざまな提案が出されている。最終決着については、だれにもわからない。チリでは、医薬品や医療制度について話し合う時にはそれぞれの国の現実と社会問題について考慮しなければならないと指摘している。したがって、私たちについて言えば、バランスのとれた制度をつくるために努力し、我が国の国民の権利を守るために戦うつもりである。
米国:他の問題について、現在議会で検討されている。それらの問題について真剣に考えていないというわけではない。9ヶ国が、相反する目的を達成するためにふさわしいと思うバランスを見つけられるかどうか、という問題だ。ジェネリック薬や技術革新などが重要でないと思っている人はいない。 まだ取り組み中だ。結論がどうなるか分かる段階にまで、まだ進展していない。ご指摘の問題については認識している。
ジェシカ(パブリックシティズン):以前からのFTAとTPP加盟国との関連性について、特に並存に関する決定について質問したい。この問題がはっきりしないうちに、どうやって章を完成させるのか。決着が予定されている10章とは、どの章なのか。決着に近づいているというのはどの程度まで近づいているという意味なのか? たとえば、数カ所決定していない文言があるだけであとはすべて決まっているのか、それとも、議論の多い部分をそっくり除いて他の部分が決着しているということなのか?
オーストラリア:第2回目か3回目のラウンドの記録によると、TPPは既存の協定と並存することで合意が得られているし、その考え方についても十分に理解されている。TPPの最終合意内容と既存の協定に矛盾がある場合、交渉を通じて対処しなければならない。この方法は初期の段階から変わっていない。こうした問題はきちんと解決しなければいけないし、矛盾が生じていないか確認する必要がある。オーストラリアにも重複するFTAがあるが、それに関連して大きな問題が起こったことはなく、もう何年も並存させてきている。
仕上がりに関して言えば、これまでのFTAでも議論されてきた典型的な分野である関税、SS TBT(Sanitary and Phytosanitary Measures , Technical Barriers to Trade技術的貿易障害)、MA市場アクセス文書, CBSなどはなじみがあるので比較的取り組みやすく、共通の土台を見つけやすい。簡単に解決できるわけではないが、うまく進んでいるといえる。その他の知的財産権、医薬品、保健などはより複雑で細かく、立場も様々で、各国独自の制度もあり、解決には長くかかるだろう。すべての国の目的にかなうよう に前向きな解決策を見つけようと、皆は頑張っている。すべての国に明確な優先順位がある。9ヶ国すべてが受け入れ可能な解決策を模索する必要がある。
Palmedo(アメリカン大学):もう1つの重要な知的財産問題であるACTA(Anti- Counterfeiting Trade Agreement模倣品・海賊版拡散防止条約)について提起したい。ACTAは毎週のように議会の抵抗があり、この問題の難しさを物語っている。交渉担当官らは、2011年2月の文書がACTAを超えているということについて、危機感を持っているのか? 質問は、ACTAを批准すると考えられていた 国々でもACTAが完全に問題になってしまったという点について、2012年2月以来の交渉で解決が模索されてきたか、というものだ。(チリがほほ笑む)
チリ:知的財産権の章はとても長い文章で1冊の本のようだ。手直しが難しく、 内容を明確にしたり、議論してまた決着したりすることが難しい。基本的に、 作業部会は各ラウンドでそれぞれ取り扱う問題を選んできた。議論は進んでいるが、文書について重要な決定はまだ下していないのが現状だ。私たちは詳細について明確化をしてきているが、あなたが指摘したような根本的な問題についてではない。
米国機械工労働組合:米国は世界中の製品の最大の消費者だ。米国はすべての貿易取引で赤字になっている。雇用が海外に流出し労働者にとっては致命的。貿易赤字を止めるための対策は?もしあるのであれば、どのように是正するつもりなのか?
オーストラリア:オーストラリアとしては、貿易が赤字である、黒字であるという狭い見解は問題ではない。貿易収支の問題は他のさまざまな経済問題を反映している場合が多いからだ。貿易を促進することが、すべての経済国にとって、また、雇用を増やすためにも良いことだと信じている。こうした交渉の場で、ある国の他の国に対する特定の貿易上の立場が必ずしも重要な争点になるわけではない。 グローバル化した世界で輸出企業のチャンスを増やそうとするということは、輸入が輸出にとって重要であり、その逆も然りということを意味しているのだ。すべてはつながっており、その組み合わせがあなた方労働者にも最良 の結果をもたらす。私たちの経済構造が変わることにより、通商協定とは無関係に問題は起こるものだ。私たちの国は米国に対して赤字だ。我々がそれを逆転させて欲しいとあなた方に頼んでもいいのか?さまざまな相手国によって、 赤字も黒字もあるものだ。赤字を是正するために何もしていないではないか、と主張できるだろうか?
ベトナム:貿易赤字を見るならば、ベトナムは最大の赤字を抱えてしまうかもしれない。しかしそのことは、協議参加の妨げにならない。物品だけでなくサービスや政府調達などの貿易機会の創出についてハミッシュ(Hamish)が言ったことをわれわれは信じているからだ。物品では赤字かもしれないが、サービスではどうだろうか? 米国の多くの労働者は製造業からサービス業やドットコム産業などブームになっている業種へ移動したし、サービスは黒字だ。貴国の現在経常収支を見ると、サービスがとても強くなっている。
われわれは、ここ米国で雇用が創出されているのを見たこともない。
チリ:我々も同じ立場だ。二国間だけで収支バランスを検証することはできな い。米国との二国間協定を調印したあと、チリの対米黒字は米国の対チリ黒字 に変わった。米国の貿易政策を分析してみると、最近5年あるいはそれ以上の間に、米国は世界とそれほど多くの協定を結んでいるわけではない。 だから、赤字や失業の責任を自由貿易協定(FTA)のせいにできるかどうなのか疑問に思う。おそらく競争力の問題だろう。市場を開放しなければ有利になることはできない。
ジェーン(ニュ-ジ-ランド):ニュージーランドとの間の農業に関する市場アクセスの協議は、どのような状況になっているか? ニュージーランドが協定 に調印するためには、実質的な乳製品へのアクセスが必須だとケイ首相が話しており、特に乳製品について聞きたい。
ニュ-ジ-ランド:首相はこの協議から乳製品の市場アクセスに関する成果を得たい、というのがこの件について実際に言っていることだ。いまの状況について?協議はまだ道のりが長い。しかし、最終的な到達点としては、ホノルルで全首脳から出された野心的な案と一致するような成果を目指している。
バ-バラ・ワイゼル:追加コメントを拒否
ジェーン:カナダから供給管理について事前の約束があったのか?
ニュ-ジ-ランド:カナダが特定の政策についていずれかの国に対し何かを示唆したのかどうかはわからない。しかし、この協議に参加する国は、私たち全てが満足するために、野心的な水準を確実に満たすようにしなければならない。
ジェーン:ケイ首相は、投資家対国家間紛争処理に関して、全加盟国が同じルールで運用することを期待すると言っている。ほかの国も同じ意見なのか?
現状をその通りに述べてもらったが、明らかにこれは微妙な問題であって、我々は今建設的な議論をしている最中だ。結論までにはまだ長い道のりがある。
チリ:われわれの考え方としては、すべての国が例外なしで同じ扱いを受けるべきだと考える。でなければ、ほかの章でも、さまざまな例外を求められることになるだろう。
米ワシントン・フェアトレ-ド連盟:透明性と議会からの書簡、(xxx)が署名した請願についての質問。いつ文章を一般に公表し、私たちの名前で 私たちの知らないことが協議されているという不安を軽減するつもりなのか?
米国:私たちは、各ラウンドで毎回同じ質問に回答してきた。文章を公表するつもりはない。協議の実質的な内容について利害関係者に情報を提供すべく最大限のことをしてきた。参加国のそれぞれの立場について、可能な限り詳細な情報を提供しようとしていることは、ここにいる多くの人々が知っていることだ。中にはとてもデリケートな問題もある。文章を公表しては、協議を進めることが できなくなる。私たちはできるだけ詳しく(皆さんと)検討することは厭わないし、協議を行っている米国の交渉官たちは、米国の立場について皆さんと話し合いをする心づもりもある。
世界中どこでも同じだが、国内法を立案する時も協定を交渉中の時も、協議中に 戦略を公表するようなことはしない。そんなことをすれば決着がつかなくなるだろう。
サビ-ナ:日本が協議に参加する可能性についてのコメントと、そのためにどのような約束がされるべきか? また、協議の全体的なスケジュールは?
サ-ニャ:国有企業に関するまだ括弧つきの提案を含む投資条項が漏えいしたといわれている。自国にとってそのような義務が何をもたらすのかという点について、どのような検討をしようとしているか差し支えなければ話してほしい。
ダニエル:(ベトナム代表が笑った)その文章の信ぴょう性についてコメントする立場にはない。どんなものでもそれが正確な記述ならば、漏えいはもちろん 重大な懸念材料である。もっと一般的な問題については、米国の立場はよく知られている。オバマ政権が最近公表した2012年二国間投資協定 (BIT)モデルと、過去10~15年のすべての自由貿易協定の協議結果を見ればわかるだろう。その問 題は特に珍しいものではなく、私たちの協定 でよくとられる対応と似ている。 いま提案されているものは、単なる率直な立場の問題であり、通常の国際法の条項における帰属に関する背景的な規則と同様のもの。たとえば、国家の責任に 関する国際法委員会の議論のようなものだ。米国の二国間投資協定(BIT)モデ ルは通常の国際法に合致しており、われわれの見解ではそれを超えるものではない。また、そのような文言がなかったとしても、投資協定に照らして仲裁機関が適用してきたし、今後も適用することになるだろう。いずれにしても適用されることになる通常の国際法の背景的な規則として見られている。
セレステ(米国労働総同盟・産別会議):労働と環境の章の関係についての質問。税金、社会保障、解雇手当などに関する法律の非差別的適用によって、資本規制の禁止は、猶予措置を認めるのか? オーストラリア、ニュージーランド、ASEANは、いくつかの協定の中に同じものがあると私たちは理解しているの だが。
また、労働と環境は最も議論の多い章に入るが、これは米国の野心的な提案によるものである。これらの章を投資条項の下で異議申し立てから除外することによって、躊躇している国々をもっと安心させられるかもしれないと考えたことはあるか?
米国:この交渉や多くの他の交渉に参加している国々にとっても、また利害関係者にとっても、資本規制の問題は重要であることは認識している。われわれ の考えでは、米国の対応は、自由に資本を移転する投資家の権利をきちんと保護し、そして投資受入国も護る、均衡のとれた対応というものである。投資家が投資をするにしても資金を持ち出すにしても、投資家をひきつけられる唯一の方法なのだ。また、多くの分野や特定されるすべての分野を 含め、相当な柔軟性があることも含まれる。二国間協定にあるように、政府の権能を妨げないもの、または例外規定でカバーしようという見解に立つこともあろう。また、逆の意見が出されたとき公式な声明があることはよく知られている。米国政府はこの問題について、バランス・アプローチをとると、財務長官ガイトナーが明言した書簡のことである。ほかの政府は、異なった見解をもっているかもしれない。
また、2番目の問題についての見解であるが、投資の文言のなかでバランスをとるように努力することは重要で、TPPや二国間協定(BIT)モデル でもこの分析 に注目したほうがよい。労働や環境の分野で、公的規制における立法の妨害をねらったルールなどはない。この目標を達成するために、そして国内よりも海外 からの投資家に、より大きな実質的権利を与えことがないように、我々の公式の場がどのように作られているのか詳細な議論をしてもよい。
シンガポ-ル:日本について。TPPは、9ヶ国、あるいは11ヶ国だけの貿易協定ではなく、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)への道筋であるはずだ。世界第3位の経済国の日本が加われば、協定に経済的な重要性が加味されることになるだろう。その意味では、参加は歓迎される。時期については、日本が自ら決定しなければならない事柄だ。日本は興味を示してはいるものの、まだ、協議への参加を求めるかどうかの正式な決定をしていない。非常に集中した国内議論が展開されているが、消費税増税や原発再稼動のように、解決しなければならない優先課題も抱えている。日本の準備が整えば、われわれはいつでもその用意がある。日本がTPPに参加しようとする場合、何が必要なのかできるだけ多くのことを共有するために、われわれは積極的に日本と話し合ってきている。日本が参加する時に、ある程度の水準の野心的な内容に署名しなければならないことなど、日本側の認識を確実なものにするためである。厳格な前提条件があるというわけではなく、単に私たちの熱望している水準を共有し、進行中の協議に入ってくることができれば、われわれも協議が続けられるということである。
マット(機械工組合):私は、ガソリンの含有物質を規制する環境規制委員会の メンバーだったが、訴訟を起こされた。カルフォルニア州は数百万ドルも費や して、その立場を擁護し勝訴した。ダビデとゴリアテ問題(小が大と争わなければならないというISDSにおける問題で旧約聖書からの喩え) にどう取り組むのか?もし、そのような訴訟が小さな国や米国の地方の郡に対して引き起こされた としたら、こうした訴訟権限は主権を脅かすことにならないか?(うなずくベトナム代表)
米国:おそらくメタネックス社(Methanex)の例について話しているのだろう。 州の職員は訴訟に巻き込まれ、州政府は財源を費やしたが、最終的に米国が勝訴したことに注目してもらいたい。私たちはこの状況についてよく取り上げており、特にこのような分野では、政府の規制が決して変わらないと思うのは非合理的だ、というのが明確であることを指摘している。私たちは、投資ルールについて時々疑問を呈する同僚たちにも、結果に注目しろと言っている。米国や他の国々にとって、訴訟に巻き込まれないための出費よりも、巻き込まれた時の方が高くつく(ベトナム代表が力強くうなずいている)。私たちは、この種の懸念事項にいかに対応するか議論している。投資家の保護と救済のためにこそ賢明な知恵が必要とされているのだ。この種のDSM紛争解決の仕組みは問題の救済方法として、最も優れたものだという見方が広がっている。
シェラクラブ:気候変動と貿易協議との関係について、どのような配慮をしているのか?この深刻な地球規模の問題について、実際に取り組んでいるのか?
ペル:ペルーからの見解だが、我々は近い将来に最も影響を受ける国の1つだと 言われている。ペルー当局が関心を持っており、この問題に立ち向かうため に、9ヶ国ないし11ヶ国の間でで協力し、この問題に立ち向かうために解決策を 見出そうとするいくつかの提案をするつもりである。我々は、協議に参加している他の国と一緒にこれらの提案を取り入れようと努力している。よい感触とコメントそして対案を受け取っており、我々はこの重要な課 題に対処するために、何らかの成果をまとめようと努力しているところである。
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『異常な契約─TPPの仮面を剥ぐ』(農文協)
<原文>
STAKEHOLDER BRIEFING SAN DIEGO 3 JULY 2012
Day 2 of the talks, so not a lot to report, but cos 4 July majority of stakeholders, at least from US, asked not to interfere with 4 July holiday so frontloaded events in round.
I’ll give you a sense of what trying to accomplish, what has been done so far and open the floor.
Day 2 of negotiations. Yesterday we held a very successful series of stakeholder events. We tried to accommodate request for presentations. Majority in Dallas seemed to prefer the new format of tables. Talked to many of you I do not usually get to talk to in Washington, very helpful, hope to continue discussions. Appreciate people who made presentations. Will continue to try to accommodate requests of stakeholders for different types of formats
So far in negotiations, many groups have started to meet. Some started back on Saturday. Have 29 working groups. Limited time, space, so complicated scheduling to fit them all in. Continue through for a week from today.
So far, investment, CBS, GP, telecom, customs, legal issues, IPR, labour, MA and CB have met.
Not a lot to report. Purpose of round is to make progress to eliminating differences and closing gaps on issues. Working hard to meet APEC leaders’ request that we expedite progress toward conclusion of the agreement.
Now well into the negotiations, entering the end game on some issues, on others there is a way to go.
Some more controversial issues will go toward the end. Working closely with many in room to get input on some more controversial issues, would like to close out many as quickly as possible.
Continuing text negotiations at the same time as market access negotiations related to tariffs for industry, agriculture and textiles, services and investment, and GP.
Proceeding at different paces for different issues. Some will fall to later stages at the negotiations. Need all to move forward in tandem so tradeoffs can be made. Links across chapters we need to be cognizant of.
Caroline EFF – IP chapter, specifically TPM provisions: policy choices on TPM, scope and policy on access to info, scientific research etc, WCT and WPPT flexibilities and for civil and criminal liability. What is next step for TPM provisions and limitations, given the placeholder in the text.
BW - Obviously a very sensitive issue, have heard from stakeholders on all sides of the issue US worked with stakeholders in Washington
and input from the country and international. US will be tabling text later this week, send to counterparts first, but will be discussing later this week. Will put something out and respond to requests for discussions. Have spent lot of time listening to people’s views and seeking an appropriate balance.
Copyright limitations and exceptions. ????
Vietnam: very sensitive issue, esp for developing countries like Malaysia, Brunei and Vietnam,
We have listened to stakeholders, much appreciated material from Public Citizen. Like to assure you all comments are taken into account. Want to find a solution acceptable to all sides, taking into account the interest of stakeholders.
Deb, PHA: Where and when is the next negotiating round, what is the timing in relation to APEC summit, and what do you expect from the APEC Summit?
BW: Mid-Sept, dates are being finalised, no venue yet but it will be in the US. Complications are that APEC ministers and leaders are in Russia for APEC immediately preceeding. We have complications with logistics and are trying to work that through with Russia. Will make details available as soon as they are worked out
3M - Welcome Canada and Mexico as new partners. How will they be integrated and expected impact?
NZ – 2 important things in looking at these potential new members at this advanced stage of the negotiation: does that country share the commitment to the ambition levels as set out in Honolulu by the current participants, and can they join without interrupting momentum and process. In re both Canada and Mexico the 9 have worked this through to the point where we understand to all our satisfaction that this is the case, in both respects, for both those countries. They will join in negotiations proper once relevant players have completed any domestic procedures required pursuant to those announcements.
Mr Roland, concerned citizen – in regards to pharmaceuticals, like aids drugs, if you have very strict protection of IP like patent law, you may prevent the availability of generic version of drugs like AZT. Did you consider the insidious effect this may have on aids patients and those people suffering in developing countries where low wages and expensive drugs are not available, whereas US pharma companies are often advocating strict patent laws, meaning generic drugs are not available. Have you considered this in the negotiations?
Chile – of course we have very wide variety of proposals from different countries here. The final result, nobody knows. Chile says we should take into account the reality of each country and social problems that are on the table when talking about pharma and medical programmes. So from our point of view we will fight for a balanced system and will fight to defend rights of our people.
US - Other issues being reviewed in legislature. Not a matter of not considering seriously those issues, a matter of finding balance that the group of 9 thinks is right to meet competing objectives. Nobody in the room disagrees that generics, innovation etc are important. Still working that through. Not yet advanced the issue to the point that we understand what the outcome will be. People recognise the issues.
Jessa, Public Citizen– question about the relationship between pre-existing FTAs and parties to TPP, in particular decisions on coexistence. And how can chapters be completed if that is not sorted? What 10 chapters are expected to be closed out? What does close to finish mean - everything except a few brackets, or all except the most controversial parts?
Australia – we have been on the record from about 2nd or 3rd round that have agreed TPP will co exist with existing agreements. That approach is well understood. If there are issues of conflict between final TPP agreement and existing ones, they will have to be dealt with in the negotiations. That has been the approach since the start. Have to address these issues and need to look at whether there are conflicts. Oz has overlapping FTAs and there has not been a big issue in relation them, we have had coexistence for a number of years.
As for closing out – traditional parts of FTAs, eg customs, SS TBT, MA text, CBS, which people are very familiar with are easier to address and find common ground. That does not mean all the issues are easy to address, but where we are making good progress. Other issues, such as IP, pharma, public health, are complicated and detailed and know there is a wide variety of views, countries have their own systems, will take longer to find solutions. There is a lot of goodwill to find a way forward to meet all national objectives. All have clear national priorities. Will need to find something acceptable for all 9.
Palmedo – American Univ – wanted to raise the other big IP issue of ACTA, proving very controversial, with legislative setbacks almost every week. Do negotiators considering the Feb 2011 text have a sense it is ringing alarm bells, given that the text is beyond ACTA? My question is whether negotiations since Feb 20122 have tried to address issues that have made ACTA such a complete problem in countries that are supposed to be ratifying it. (Chile smiling)
Chile – IP chapter is very long text, like a book, very difficult to revise it and clear, open and close things. Basically the working group has selected some issues to deal with in each round, different issues, we are advancing discussions, but we haven’t taken important decisions in the text, that is the situation. We have been clarifying and … small details but not fundamental issues like the ones you’ve raised.
Machinists union, US – US number one consumer of the world’s products. US has had a trade deficit in every trade deal, which is detriment to every worker, with jobs going offshore. What are you doing to stop the trade deficit and if one exists how do you plan to rectify it?
Oz view is that a very narrow view on trade deficits or surpluses is not the issue. The matter of trade balances often reflects other economic issues at play. We believe that creating more opportunities for trade is good for all economies and creates jobs. Do not think one country’s particular trade position in relation to another is necessarily the key issues at play in these negotiations. Seeking to open opportunities for exporters but realise in a globalised world means imports are important to exports and vice versa. All are linked together and the combination provides best outcome for your workers. Problems happen irrespective of trade agreements cos of structural changes in our economies. We have a trade deficit with the US, would you like us to ask you to reverse that? There are surpluses and deficits with different countries. Is it correct to say you are doing nothing to correct the deficits?
Vietnam – if we look at trade deficit, Vietnam could have the biggest deficit. That doesn’t prevent us from participating in the negotiation, cos we believe what Hamish said about creating opportunities for trade, not just goods, also services and government procurement? Although you have a deficit in goods, what about services? A lot of US labour moved from manufacturing to services, boom eg in dotcom industry, have a surplus in services. Look at your current account, it is very strong in services.
We have not seen jobs created here.
Chile – we have same position. You can’t study the balance bilaterally from each country. After we signed bilateral agreement with US, changes from +ve balance from Chile to +ve for US. If we analyse US trade policy, you are not making many agreements with the world in the last 5 years or more. So I’m not sure if you can assign the responsibility of the deficit and unemployment to FTAs. May be a competitiveness issue. Must open markets to get advantages.
Jane, NZ - what is the status of the market access negotiations on agriculture between NZ, especially on dairy, given that Prime Minister Key said it is essential for NZ to have substantial dairy access for it to sign an agreement?
NZ – Prime Minister on the need for outcomes on dairy market access out of this negotiation, that is an accurate quote of what the case is. Where are we at? In a negotiation, there is a long way to go, but ultimately the point we need to get to is an outcome consistent with the ambition set out by all leaders at Honolulu.
Barbara Weisel - declined to add.
Jane - Were there pre-commitments on supply management from Canada?
NZ – on Canada – not sure what if any indications Canada might have given any countries on particular policies. But anyone coming into this negotiation must assure all of us to our satisfaction to meet that level of ambition.
Jane – Prime Minister Key said we expect all to be governed by the same rules in relation to investor state dispute settlement. Is that the position of other countries.
You described the situation as it is, obviously it is a sensitive issue, we are having constructive discussions but there is a way to go to conclude.
Chile - point of view, we think should have same treatment for all countries and no exceptions, Could expect a lot of exceptions in the rest of the chapters otherwise.
US Washington Fair Trade Coalition - question about transparency and the letter from Congress and petition signed by xxx. When are you going to release the text to the public and alleviate fears about what not know is being negotiated in our name.
US – we have answered the same question at each round, we do not intend to release texts. We are doing our utmost to provide information to stakeholders about the substance of negotiations. Many in the room know we are prepared to provide as much detail as possible about the respective positions of our countries. Some very sensitive issues. Negotiations cannot be conducted by releasing the text. We are happy to go through in as much detail as possible, US negotiators in room are prepared to talk with you about US positions.
Like anywhere in world, whether you are developing domestic legislation or negotiating an agreement, you do not put your playbook on the table during the negotiation or you will not conclude it.
Sabina – comment on potential for Japan to join negotiations and any kind of commitments would have to make? Overall timeline of negotiations?
Sanya – purports to be leaked investment chapter with proposal still in brackets re SOES, can negotiators say how plan to do due diligence that plan to do about what such an obligation might mean for your country?
Daniel – (Vietnam smiled) not in a position to comment on the authenticity of the text. Any leak is of course a very significant concern if that were an accurate statement. On the more general issue the US position is well known, you can see in Obama administration’s recently released 2012 model BIT, and negotiated outcomes of all our past 10-15 year FTAs. The issue is not unusual, similar to the approach taken in many of our agreements. What is being proposed is simply an explicit position, parallels the background rule of attribution under customary international law articles eg in International Law Commission discussion on state responsibility. The approach in the model BIT is consistent with and in our view does not go beyond customary international law, and would and has been applied by tribunals even in context of investment treaties without any such language, as it is viewed as a background customary international law rule that would apply anyway.
Celeste, AFLCIO – questions on the inter-relationship of labour and environment chapters. Will restrictions on cap controls allow delay through non-discriminatory application of laws relating to tax, social security, severance pay etc. We understand that Australia, NZ and ASEAN have that in some of their agreements.
Also some of the most controversial chapters are labour and environment, cos of US ambitious proposals. Have you considered whether it might make some of those countries reluctant about them more comfortable by making those chapters exempt from challenge under investment chapter?
US – re capital controls, we know it is important for countries in this and many negotiations and for stakeholders. US approach in our view is a balanced approach to provide significant protection for investors’ right to freely transfer capital, and protects host countries so the only way they can attract investors if they can transfer money and out, also include significant flexibilities, including in many or all the areas identified, be likely to take the view that what have in BIT not impede governments abilities or would be covered by exceptions. Also well know that there are public statements when opposing views presented, letter from Secretary Geithner clear statements that US government takes a balance approach on this issue. Other governments may have different views.
Also take a view on the second issue, important to seek to strike a balance in investment text, look very carefully at this analysis in TPP and Model BIT. None of the rules have intention to effect of preventing legislation in public regulation in area of labour and environment. Could have a detailed discussion about how it is crafted in our public positions to achieve that goal, and not to provide greater substantive rights for investors from abroad than from domestic investors.
Singapore – On japan – TPP not a trade agreement just among 9, or 11, could be pathway to FTAAP, so Japan as 3rd largest economy would add economic weight to agreement. In that context would welcome it. On timing, it is very much an issue which Japan has to decide themselves, they have indicated their interest, but yet to take formal decision on whether seeking to join negotiation. Very intensive domestic consultations, have some other national priorities to get through eg consumption takes, reactivating nuclear plants. We are ready when Japan is ready. We have been actively in consultation with Japan to share with them as much as possible about what they would need to do if they were to join TPP, in the context of ensuring they know what they are getting into that have to sign up to certain level of ambition. There are not strictly preconditions, only that they share same level of ambition and come in where we are now in the negotiations so that we can continue.
Matt, machinists – I was on the environmental regulatory board to regulate ingredient in gasoline and we were sued, California state spent millions defending the position successfully. How do you deal with the David and Goliath problem. If that law suit had been brought against a small country or county in US, doesn’t ability to sue have a chilling effect on sovereignty. (Vietnam nodding),
US – assume you are talking about Methanex. Note that ultimately the US won, and state officials were involved, the government expends the resources. We often point to the context of the case, and how clear it is on the idea that government regulation, esp in areas like that it is not reasonable to expect that regulations might not change. We say to colleagues who sometimes raise questions about investment rules, note that outcome. For US and every country it takes more resources to be involved in cases than not be involved (Vietnam is nodding vigorously). We do engage with colleagues on discussions on how to address those types of concerns. There wise of the picture is need to provide protections and remedies for investors. Out and prevailing perspective is this type of DSM is best type of remedy on this issue.
Sierra club – what consideration are you taking vis a vis climate change and trade negotiations. Are you even dealing with this serious planetary problem?
Peru –from Peru’s perspective, we are said to be one of the countries most affected in the near future. Concerns of the Peru authorities mean we have some proposals among the 9-11 countries to cooperate and find possible solutions to fight against that problem. We are trying to introduce those proposals with other countries that are part of the negotiations. We have received good feelings and comments, and a counter-proposal, we are trying to put something together to deal with that important issue.
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