TPP協定に労働組合は強い疑問をもつ
2012年12月12日
提案されている環太平洋経済連携協定(TPPA)のオークランドで開催された第15回交渉に参加した労働組合は、実際目にした内容では同協定の方向性に強い疑問を抱かざるを得ないと述べている。
「交渉内容の多くは、良好で賃金が保障された雇用、公共サービス、入手可能な医療と、公的な利益のために法律や規制を設ける能力を侵害するものである。 また経済に持続的成長という選択肢をつぶす可能性がある。代わりに、良質な雇用の創出や社会条件の向上にほとんど関心のない大企業や逃げ足の速い投資家に 大きな力を与えている」とニュージーランド労働組合評議会政策局長のビル・ローゼンバーグは言う。
彼はまた「政府調達、投資、知的財産権、金融サービスなどの分野では我々の主権が取り上げられようとしている。より良い公共政策を導入する政府を提訴す る権利を大企業に与えることは、労働組合には重大な懸念をもつ。我々はこれに反対しているオーストラリア政府を支持している」とも述べた。
「この協定が前に進むなら、労働組合は労働者を強力に保護する労働に関する章を含めることを断固主張する。これらはILOの基本条約を最低限としなければならない」と米国とカナダで140万人を組織するチームスターズ労組のマイク・ドーラン氏は言う。
また「交渉に参加している多くの国の労働担当交渉官と面談した。ILO条約だけでない多くの重要な要素が抜け落ちており、受け入れ国での搾取から移民労 働者を守る強力な規制が必要である。さらに労働に関する章を監督し、地域の労働条件の傾向について監視する機構も必要である。TPPが申し立てを効率的・ 効果的に取り扱う改善されたプロセスを含むのか、まだ確証がない」とも述べた。
「一番重要なのは、一部の国が(労働条件の)効果的な強制メカニズムに依然として抵抗していることである。これらの違いを埋め、受け入れ可能な労働に関する章を作るためには政治的指導力がひるようになる」と述べた。
オーストラリア製造業労働組合のアンドリュー・デットマー委員長は実際行われている交渉の方法について労働組合の強い懸念を表明し、「労働に関する章の議論は、交渉過程において透明性を欠き、民主的手続きを踏んでいない」と述べた。
「交渉案の案文を見ることができないじょう供養で、このような複雑な取り決めについてそのメリットや意味を有意に討議することは不可能である。これは労 働の章について、また協定全体についてもいえる。これほど重要な問題をこのような秘密主義で国際交渉を行うことは、反民主主義的であり時代錯誤である」と 述べた。
「我々は企業の利益を代表する人々の多くが、労働組合を含む社会一般の構成員よりも条約案文と交渉内容により容易にアクセスできることを知っている。次回の交渉までに政府は現状の条約案文を公的な検討のために公開するべきである」とも述べた。
ここに集った労働組合は、現在の方向性のままTPP交渉が進むのであればTPP協定を支持することはできない。
以下の労働組合関係者はこのリリースに関してコメントすることができる。
ビル・ローゼンバーグ ニュージーランド労働組合評議会(NZCTU)政策局長
アンドリュー・デットマー オーストラリア製造業組合(AMWU)委員長
マイク・ドーラン 米国チームスターズ
布施恵輔 全国労働組合総連合国際局長
ベン・ルース オーストラリア労働組合評議会(ACTU)
ロバート・リード ニュージーランド・ファーストユニオン書記長
マリリン・ヘッド ニュージーランド看護師協会政策アナリスト
マイケル・スチーブンソン ニュージーランド中・高等学校教員組合顧問
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