2013年3月16日
内閣総理大臣安倍 晋三 様
新日本婦人の会
会長 笠井貴美代
TPP交渉参加表明につよく抗議し、撤回を求めます
3月15日、安倍首相はTPP交渉への参加を表明しました。農林漁業や医療関係者、消費者や労働者など日本のあらゆる階層・分野、全国各地の自治体ぐるみで上がっている「TPP参加やめよ」の声をふみにじったことに、新日本婦人の会は怒りを込めて抗議し、安倍政権が参加表明を撤回するようつよく要求します。
安倍首相が「守るべきものは守る」と国民に何遍くりかえしても、いったんTPP交渉に参加したら「守るべきものが守れない」ことは、この間の事実が示しています。日米首脳会談で確認されたことは、関税と非関税障壁の聖域なき撤廃の原則でした。しかも、昨年交渉に参加したカナダとメキシコは、すでに9カ国で合意した条文はすべて受け入れる、将来の交渉も9カ国が合意した場合は拒否権はなくその合意に従う、交渉打ち切りの権利は後参加国にはない、などきわめて不利な条件を受け入れ参加したのです。安倍首相は「世界のルールづくりから取り残される」といいますが、ルールづくりどころか、すでに合意ずみのルールは変更できないことを首相自身が認めているのです。こんな屈辱的なルールに、経済発展の著しい中国・韓国・インドネシアの3カ国は参加していません。
すでに日本はアメリカの強い圧力に屈して、2月からBSE対策を緩和し、検査なしの危険なアメリカ産牛肉の大量輸入を解禁しました。同じように、TPP交渉への参加では、食料自給や食の安全、医療や雇用、環境など日本の国民生活のあらゆる分野にアメリカ基準が持ち込まれ、長年、日本の女性・消費者運動や市民運動が築き上げてきた独自の制度が壊されます。TPP参加は「大きなチャンス」どころか、日本を強欲なアメリカ多国籍企業の莫大なもうけの市場にし、日本の一部大企業が海外で利潤をむさぼることをねらっています。これほど売国的な政治、これほど強者のための政治が、日米同盟強化の名でおこなわれるなら、そのおおもとである安保条約をなくすしかありません。
安倍首相によるTPP交渉参加の表明は、先の衆議院選挙で「大勝」した自民党と議員が約束した公約をすべて投げ捨てることです。有権者はぜったいに許さないでしょう。
新日本婦人の会は、国のあり方を大転換させるTPPの危険なねらいを広く女性・国民に知らせ、TPP参加反対の一点で共同をひろげる決意であることを表明し、安倍政権に重ねて交渉参加表明の撤回をきびしく求めるものです。
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