2013年3月19日
抗議声明 TPP交渉参加表明に強く抗議する
遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
天笠啓祐
安倍総理が、多くの市民の反対を押し切ってTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉に参加表明したことに強く抗議するとともに撤回を求める。
1.遺伝子組み換え(GM)作物を用いた多国籍企業による種子支配、食料支配が進み、農業を破壊させ、食卓の危険性を増幅させ、食料主権を奪うTPPへの参加に反対する
進行するグローバル化の象徴が、GM作物である。そのグローバル化をさらに徹底的に推し進めるために企図されているのがTPPである。
国際アグリバイオ事業団(ISAAA)によると、2012年におけるGM作物の作付け実績は1億7030万haになり、世界の農地の10%を超えた。その大半がモンサント社であり、種子の独占化が進み、多国籍企業の食料支配が強まっている状況が示されたといえる。
現在、世界で販売されている種子の74%を、わずか10の多国籍企業が支配するという寡占化が起きている(2009年)。しかも、トップ企業の米国モンサント社は27%を占め、米国デュポン社、スイスのシンジェンタ社のGM種子開発企業が上位を占め、その3社で53%を支配している。
種子を支配し、食料を支配するためのGM作物開発であることが、いっそう明瞭になってきたといえる。それを後押ししているのが、米国の食料戦略であり、その有力な武器が貿易自由化圧力である。
日本の農業はTPPによって、コメ、サトウキビなどの生産が破壊され、農業が支えてきた日本の原風景も無惨な姿に変えられることは必至である。その上、食卓も世界中から入ってくるGM食品によって支配されてしまう。
2.GM食品表示制度の撤廃やGM食品の安全性評価、生物多様性への影響評価など、基準や制度の緩和・撤廃を推し進めるTPPへの参加に反対する
ニュージーランド紙は、米国政府の2011年度年次報告の中で、米国がTPPに参加し、食料輸出を推し進める際の最大の障壁が、他国の食品表示制度にあると指摘し、GM食品表示制度の撤廃圧力が強まっていることを伝えている。日本政府がTPP交渉に参加することは、GM食品表示の撤廃など、消費者の知る権利を奪う圧力が加わることを意味する。
さらに、GM食品の安全性評価や生物多様性への影響評価の緩和または撤廃への圧力が加わることになる。すでに牛肉に関しては輸入条件が緩和され、BSE対策がほとんど行われていない米国産牛肉の大量流入が始まっている。食品添加物に関しては、米国で承認されているものが、次々と日本で承認されている。農薬の残留基準もまた、日本の厳しい基準を緩和して、緩やかな米国の基準に合わせることが求められている。さらに成長ホルモン剤や放射線照射食品の容認圧力、GM動物食品の容認圧力などが加わることも必至である。
食の自給や安全が脅かされ、環境が悪化するだけでなく、米国産や遺伝子組み換えの表示もなくなるため、消費者は知ることも、選ぶこともできない状況に追い込まれることになる。このようにTPPによって、GM作物を通した多国籍企業による食料支配がさらに進み、私たちにとっては食の自給が奪われ、安全が脅かされ、環境が破壊される。
私たちは、このようなTPPに反対し、安倍政権による交渉参加の発表に強く抗議する。
以上
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