2013年3月27日水曜日

TPPに断固反対する超党派議員、諸団体、市民運動による 「TPP参加をとめる! 院内対話集会」開催!

TPPに断固反対する超党派議員、諸団体、市民運動による
「TPP参加をとめる! 院内対話集会」開催!

2013年4月2日(火):11時半~13時
於:衆議院第一議員会館一階「多目的ホ-ル」

 国内外の多くの反対の声に耳を傾けることなく、安倍首相は3月15日、TPPへの参加を表明しました。

 私たち広範なネットワ-クである「STOP TPP!! 市民アクション」に参加する団体(一覧別掲)は、国民のいのちや暮らし、雇用、地域を壊すTPP交渉へ参加すべきではないという一致点で運動をすすめています。

 私たちは、安倍首相が前のめりにTPP交渉に突き進もうとしている今、これまでTPP交渉参加反対で運動してきた団体、政党・会派、国会議員が、改めて連携を強め、国民的規模で強力に運動を進めていくことをめざして、「TPP参加をとめる!院内対話集会」を呼びかけ、開催させていただくこととしました。

 私たちは、参加表明がなされた後も、様々な反対運動が共に力を合わせ、市民、諸団体や超党派の国会議員団の声を国内外に届け、TPPを阻止する決意でいます。

 本集会では、参加した各団体が情勢の認識を共有し、今後の運動の方向について率直な意見を出し合い、重要な局面では声を掛けあって共同の取り組みができるきっかけの会合としたいと思います。

【日時】4月2日(火):11時半~13時
【場所】衆議院第一議員会館一階「多目的ホ-ル」

※原則団体での参加となります。賛同・参加をご希望の方は、以下のフォームから「団体名」「賛同」「出席」「出席者」を入力して、申込ください。


また、「オブザーバー」として個人の傍聴も受け付けます(事前受付に限る)。その際は、以下のアドレスから「傍聴希望」をチェックし、名前を記入して申込ください。

http://my.formman.com/form/pc/JEkFT0ndAhzyjv7v/

【問い合わせ】
STOP TPP!! 市民アクション事務局

2013年3月25日月曜日

「民主主義の本質とは相容れない」400以上の市民団体が署名した米国連邦議会議員への書簡

米国Citizens Trade Campaign市民貿易キャンペーンから、「公正な社会と環境を実現する貿易政策のために」と題して、TPPやその他21世紀の貿易協定において、時代遅れの「ファストトラック権限」刷新と新たな方向性を要求して400以上の市民団体が署名し、米国連邦議会の議員に対して送った書簡を紹介します。TPPやEPAの本質を突いた具体的な提言が込められた書簡だと思います。
(翻訳:大谷一平/監修:廣内かおり)

▽ ▼ ▽

2013年3月4日
連邦議会議員殿

米国の貿易交渉官たちは、今後の基準ともなるアジア太平洋地域の新貿易・投資協定を10月までに締結することをめざしており、また、欧州連合との協定にも着手することを検討しています。そこで私たちは、21世紀における通商協定と過去の米国の貿易政策を、より公正で持続可能なグローバル経済を築く一助となる手段へ変貌させるために必要な議会の監視の役割について、我々の期待を共有するために合わせて1500万人以上に上る会員と支持者を代表し、ここに書き送ります。

環太平洋経済連携協定(TPP)は3月、シンガポールにて16回目の拡大交渉会合に入ります。しかし、米国の交渉官たちは、いまだにアメリカの一般市民に対し、米国の名のもとで提案している内容の発表を拒否しており、私たちは大いなる問題であると捉えています。また、提案事項を隠しているだけでなく、交渉が終了し協定が締結されるまで合意済みの文書をも公表しないことは民主主義の本質とは相容れません。この点に関し、TPPは過去のどの貿易協定よりも透明性に欠けていると言えます。例えば2001年、アメリカ合衆国は他の33カ国とともに米州自由貿易地域の原案を公表していますし、世界貿易機関内部の原案も頻繁に入手することが可能になっています。

TPP及び欧州連合と米国間の経済連携協定、その他の米国の貿易協定を、米国市民と世界中の人々の生活の質を実際に向上させる協定にするためには、少なくとも以下の課題に対処しなければなりません:

□人権と労働者の権利の優先。
既存の貿易政策のうち、あまりに多くの政策が投資家の権利保護に多大な労力を費やしています。一方、強制労働、児童労働、搾取的な労働環境、政治的暴力、環境悪化、先住民主権の侵害、そして言論の自由、集会の権利、移動の権利、独立した労働組合を設立する権利、団体交渉権といった基本的な権利に対する政府の弾圧を見て見ぬふりをするか、取り繕ってごまかしています。世界中の労働環境と環境活動における底辺への競争を反転させる助けとなるためには、人権と労働者の権利をいかなる貿易協定においても中心に据えるべきです。

□各地域の成長目標とその目標を果たす自治体による調達政策の尊重。
貿易協定は、参加国の政府が地域の成長や環境、社会一般のための目標に対して優先的に税金を投入することを妨げるべきではありません。貿易協定の調達規定は、既存の「バイ・アメリカン」米国製品購入の優遇を保持し、同様に現行賃金の要件、環境保護のための優遇、搾取を無くすための優遇、人権のための優遇、そして積年の不平等に対処する政策を維持するべきです。

□企業の立場を政府と対等の立場に引き上げないこと。
貿易協定は、個別の企業や投資家たちに対して、国内司法制度を迂回する法廷により、法律や規制、判決に異議を唱え、協定の条項を私的に執行するような特権を授与するものであってはなりません。ある国の法律により将来期待される利益が損なわれる、と訴える海外企業に対し、税金による無制限の補償を命じるような、3人の民間の弁護士からなる陪審団の存在を認める“投資家対国家”法廷制度は排除されるべきです。国際投資規則についても、各国政府が公共の利益のために規制する権能を保護するため、“投資”、“収用”、“待遇の最低基準”という用語等がより限定的に定義されるよう、見直されるべきです。

□食料主権の保護。
貿易協定は、農業従事者その他の食糧生産従事者が公正な報酬を得ることができ、消費者が安全で手頃な価格の食料の入手を確保できるような計画を実施する、という各国政府の権限を、尊重するべきです。同様に、国家は、農業従事者たちが廃業に追い込まれるような、不当な値下げやその他の不公正な貿易慣行から自国を守ることができるようにするべきです。

□手頃な薬価の医薬品を入手する権利。
手頃な価格のジェネリック薬剤の入手方法を維持することは、合衆国内での医療費削減のために、そして世界中の命を助けるために、決定的に重要です。医薬品の特許期間を延長するための手段として貿易協定を利用することは不適切であり、米国の政策は薬剤の入手に関するドーハ宣言に明記された基準を明確に支持するべきです。

□為替操作に対する予防措置。
貿易協定は、合衆国その他の政府が貿易を不当に歪める為替操作に対する対応策を含むべきです。更に貿易協定は、厳格な原産地規則の規定を備えることにより、貿易協定の恩恵がその規則の遵守に同意する国々に確実にもたらされるようにするべきです。

□厳格な金融規制と公共サービスの枠組み。
貿易協定は、銀行、保険会社、ヘッジファンド、その他の金融サービス提供者に対する規制に関して、上限ではなく下限を規定するものであるべきです。貿易協定のサービス規定には、いかなる民間もしくは公共サービスも規制緩和や民営化が要求されると解釈されない、明確且つ具体的な文言が含まれるべきです。

□より進んだ消費者・環境保護基準。
(上記と)同様に、貿易協定は、環境、食品・加工食品の安全性、消費者の知る権利の手段に関して、上限ではなく下限を規定するべきです。これらの高い基準を達成するには、市民および議会によるTPPその他の協定の監視がより一層必要であると考えます。オバマ政権に貿易政策決定に関する特別な権限を与える前に、TPPの原案を公表するよう求めてください。憲法に定められた「外国との通商を規制する」という議会専有の権限を、時代遅れで極端な手続きであるファストトラック「貿易促進権限」によって行政府に委譲するのではなく、下記の項目が満たされる新しい米国の貿易協定交渉と承認プロセスを支持するよう求めます:

□米国通商代表部が全ての利害関係者と協議し、貿易協定による影響を受ける事項を所管する全ての委員会とのヒアリングに参加し、想定されるそれぞれの貿易相手国がもたらすと考えられる具体的な雇用創出と輸出拡大の機会、そして提案される貿易協定がどのように関係国の人権、労働者の権利、環境、食料主権、薬剤の入手、為替操作そして貿易収支に影響を及ぼすかについての徹底的で公的な評価を提供することが必要です。
―この発展的な取り組みの一連の過程をできるだけ速やかにTPPに適用して、

□議会によって掲げられた交渉目標が、最終合意において実際に達成されていることを検証するための客観的な手順を確立し、

□行政府が協定に署名し、合衆国がそれらの条件に拘束される前に、提案されている貿易協定の内容が公益に沿い、議会の交渉目標が達成されていることを承認するためには議会の過半数が賛成しなければならない、という手続きを含むこと。

Only through this type of robust oversight and public participation can we forge a new national and global consensus on trade policy that works for all.
以上のような磐石な監視と市民参加を通してのみ、貿易政策について全ての人が納得する国民的かつグローバルな新しいコンセンサスを築くことができるのです。
敬具
(翻訳:大谷一平/監修:廣内かおり)

(以下団体名一覧)
Citizens Trade Campaign
8th Day Center for Justice
ActionAid USA
Alliance for Democracy
Alliance for Global Justice
Alliance for Retired Americans
American Federation of Government Employees
American Friends Service Committee
American Medical Student Association
American Postal Workers Union
Americans for Democratic Action
Association of Western Pulp and Paper Workers (AWPPW) International Union
BAYAN-USA
Campaign for America's Future
Campaign for Labor Rights and Nicaragua Network
Center for Biological Diversity
Center for Digital Democracy
Center for Policy Analysis on Trade and Health (CPATH)
Coalition for Justice in the Maquiladoras
Coalitions of Mutual Endeavor
Colombia Support Network
Communications Workers of America
Conference of Major Superiors of Men
Congregation of Sisters of St. Agnes, General Council
Corporate Accountability International
Cultural Survival
Democracy for America
Democratic Socialists of America (DSA)
Earthjustice
Educating for Justice
Energy Action Coalition
Engineers and Scientists for Animal Rights
Equal Exchange
Fair World Project
Family Farm Defenders
Food & Water Watch
Foundation for Integrative AIDS Research (FIAR)
Friends of the Earth US
Global Coalition of Women Against AIDS in Uganda
Global Exchange
Global Justice for Animals and the Environment
Grassroots International
Green Party of the United States
Guatemala Human Rights Commission
Health GAP
Holy Cross International Justice Office
Initiative for Medicines, Access & Knowledge (I-MAK)
Inlandboatmens Union of the Pacific
Institute for Agriculture and Trade Policy
Institute for Global Labour and Human Rights
Institute for Local Self Reliance
Institute for Policy Studies, Global Economy Project
International Association of Machinists and Aerospace Workers
International Brotherhood of Boilermakers
International Brotherhood of Electrical Workers
International Brotherhood of Teamsters
International Labor Rights Forum
International Union of Bricklayers and Allied Craftworkers (BAC)
International Union of Painters and Allied Trades
Intersect Worldwide
It's Our Economy
Jobs with Justice/American Rights at Work
Just Foreign Policy
Labor Network for Sustainability
League of Rural Voters
MADRE
Maquiladora Health & Safety Support Network
Maryknoll Office for Global Concerns
MDM Inc.
Medical Mission Sisters' Alliance for Justice
Missionary Oblates of Mary Immaculate, Justice, Peace/Integrity of Creation Office
Moana Nui Action Alliance
Move To Amend
National Alliance of Latin American and Caribbean Communities (NALACC)
National Consumers League
National Family Farm Coalition
National Farmers Union
National Latino Farmers & Ranchers Trade Association
National Legislative Association on Prescription Drug Prices
National Nurses United
NETWORK, A National Catholic Social Justice Lobby
New Rules for Global Finance Coalition
North American Intertribal Missions
Pax Christi
Peace Action
Peaceroots Alliance
Presbyterian Church USA
Progressive Agriculture Organization
Progressive Democrats of America (PDA)
Public Citizen
Public Knowledge
Rainforest Action Network
Real Food Generation
Rural Coalition/Coalición Rural
School of the Americas Watch
SELF
Sheet Metal Air Rail Transportation
Sierra Club
Sisters of the Holy Cross Congregation Justice Committee
Society of Professional Engineering Employees in Aerospace (SPEEA)
Student Global AIDS Campaign
SweatFree Communities
Take Back America for the People
TenThousandMeans
Unitarian Universalist Association
United Brotherhood of Carpenters
United Church of Christ Justice and Witness Ministries
United for Peace and Justice
United Methodist Church, General Board of Church and Society
United Mine Workers of America
United Steelworkers
United Students Against Sweatshops
Universities Allied for Essential Medicines
US Human Rights Network
US Labor Education in the Americas Project
USAction
Veterans For Peace
Witness for Peace
Women's International League for Peace and Freedom, US Section
Regional, State and Local Organizations
A. Philip Randolph Institute (WA)
AfroColombia NY
AFT-Wisconsin
All Souls Bethlehem Church (NY)
Alliance for Democracy - Oregon
Allyship (WA)
Amalgamated Transit Union Local 1005 (MN)
American Federation of Government Employees (AFGE) 3937 (WA)
American Federation of Government Employees (AFGE) Council 220 (MD)
American Federation of State, County and Municipal Employees (AFSCME) Local 3336 (OR)
American Federation of State, County and Municipal Employees (AFSCME) Council 5 (MN)
American Federation of State, County and Municipal Employees (AFSCME) Local 3214 (OR)
American Federation of State, County and Municipal Employees (AFSCME) Local 34 (MN)
American Federation of Teachers, Seattle Community College Local 1789 (WA)
American Friends Service Committee - Pacific NW
American Postal Workers Union, Minneapolis Area Local
American University Student Worker Alliance
Americans for Democratic Action of Northeast Ohio
Animal Protection League of NJ
Ashtabula, Geauga, Lake Counties Farmers Union (OH)
Austin Central Labor Council (TX)
Austin Tan Cerca de la Frontera (TX)
Azatlan Media Kollective (CA)
Backbone Campaign (WA)
Bakery, Confectionary, Tobacco Workers and Grain Millers International Union (BCTGM) Local 167Gl (MN)
Bakery, Confectionary, Tobacco Workers and Grain Millers International Union (BCTGM) Local 369G (MN)
Bear Education and Resource Group (NJ)
Black Alliance for Just Immigration (MN)
Blue Green Alliance – Minnesota
Bronx Greens (NY)
Brooklyn For Peace (NY)
Bryn Mawr Peace Coalition (PA)
California Dairy Campaign
Capitol City and Minneapolis Metal Workers Lodge 459 (MN)
Caring Activists Against Fur (NJ)
Carpenters Local 322 (MN)
Carpenters Local 361 (MN)
Catskill Citizens for Safe Energy (NY)
Cement Masons and Plasters Local 633
Center for Community, Democracy and Ecology (CCDE) (MN)
Center for Natural Health (NH)
Central Co-Op/Madison Market (WA)
Central Florida Labor Council
Centro de Trabajadores Unidos en la Lucha (CTUL) (MN)
Chicago Fair Trade (IL)
Chicago Political Economy Group (IL)
Christ in Action-Prosperity Services
Church Council of Greater Seattle (WA)
Citizens' Environmental Coalition
Cleveland Jobs with Jusice (OH)
Columbia University Partnership for International Development-CUPID (NY)
Coalition Against the Rockaway Pipeline (NY)
Columbia-Pacific Alliance for Social Justice (OR)
Comite Pro Reforma Migratoria y Justicia Social (WA)
Communication Workers of America District 7 (MN)
Communication Workers of America Local 6215 (TX)
Communications Workers of America District 4 (WI)
Communications Workers of America Local 7901 (OR)
Communications Workers of America Minnesota State Council
Community Alliance for Global Justice (WA)
Community Alliance of Lane County (OR)
Community for Earth First Unitarian Church - Portland OR
Community Organizing Center
Community to Community Development Projects (WA)
Compassion for All Animals (KS)
Dakota Resource Council
Dakota Rural Action
Dallas AFL-CIO Central Labor Council (TX)
Dallas Building Trades Council (TX)
Damascus Citizens for Sustainability (PA and NY)
Dawson Resource Council (MT)
DC Time Bank
Delmont Progressive Democrats of America (PA)
Democratic Socialists of America (DSA), San Diego Local Chapter (CA)
Denver Justice & Peace Committee (CO)
Desert MoveOn Council (CA)
Desert Progressive Democrats of America (PDA) Chapter (CA)
Doctors Council (TX)
Eastern Maine Labor Council
Eco-Logic, WBAI-FM (NY)
EcoEmm Fair Trade (NY)
Economic Justice Action Group, First Unitarian Church (OR)
Elevator Constructors Local 9 (MN)
Eugene-Springfield Solidarity Network-ESSN, A Jobs with Justice Chapter (OR)
Expand the Love (FL)
FACE Faith Action for Community Equity (HI)
Fair Trade at UMass Boston (MA)
Fair Trade Penn State (PA)
Fair Trade University at CSU (CO)
Faith Action Network (WA)
Farms Not Arms (CA)
Florida Immigrant Coalition
Fort Worth Building Trades Council (TX)
Green Party of Florida
Green Sanctuary Committee, Community Church of New York, Unitarian Universalist
GrowJobsCT
Harlem Tenants Council (NY)
Harris County AFL-CIO Council (TX)
Heartwood (IN)
Hofstra Progressive Student Union (NY)
Holy Trinity Lutheran Church, Minneapolis (MN)
Houston Peace and Justice Center (TX)
Inland Boatman's Union (WA)
Intercommunity Justice and Peace Center - Cincinnati (OH)
Interfaith Council for Peace and Justice (MI)
I.N.T.A.C.T. Community Development Corporation (NY)
International Association of Machinists and Aerospace Workers (IAMAW) Airline Local 1833 (MN)
International Association of Machinists and Aerospace Workers (IAMAW) District 751 (WA)
International Association of Machinists and Aerospace Workers (IAMAW) Local Lodge 112 (MN)
International Association of Machinists and Aerospace Workers (IAMAW) Local Lodge 623 (MN)
International Association of Machinists and Aerospace Workers (IAMAW) Minnesota State Council (MN)
International Brotherhood of Electrical Workers (IBEW) 3rd District (PA)
International Brotherhood of Electrical Workers (IBEW) Local 112 (WA)
International Brotherhood of Electrical Workers (IBEW) Local 1253 (ME)
International Brotherhood of Electrical Workers (IBEW) Local 191 (WA)
International Brotherhood of Electrical Workers (IBEW) Local 46 (WA)
International Brotherhood of Electrical Workers (IBEW) Local Union 278 (WA)
International Brotherhood of Electrical Workers (IBEW) Local 567 (ME)
International Brotherhood of Electrical Workers (IBEW) Local Union 681 (TX)
International Longshore and Warehouse Union (ILWU) – Puget Sound District Council (WA)
International Longshore and Warehouse Union (ILWU) Local 23 (WA)
International Longshore and Warehouse Union (ILWU) Local 23 (WA)
International Transport Worker's Federation of North America-West Coast
International Union of Elevator Constructors Local 21 (TX)
International Union of Elevator Constructors Local 81 (TX)
InterReligious Task Force on Central America (OH)
Ironworkers Local 263 (TX)
Ironworkers Local 7 (ME)
Ironworkers Local 84 (TX)
IUE-CWA Local 1140 (MN)
Jeannette Rankin Peace Center (MT)
JOBS NOW Coalition (MN)
Jubilee Northwest
Koreatown Immigrant Workers Alliance (KIWA) (CA)
Labor Outreach Committee of Occupy Wall Street (NY)
Laborers District Council of Minnesota & North Dakota
Land Stewardship Project (MN)
League of Humane Voters of NJ
League of Rural Voters - Minnesota
Lehigh Valley Gas Truth (PA)
Linn-Benton-Lincoln Central Labor Council (OR)
Lipari Renewables, Inc. (MN)
Live Real
Lone Star Earth First (TX)
Lubbock Central Labor Council (TX)
M. L. King County Labor Council (WA)
Maine Fair Trade Campaign
Maine's People's Alliance
Malama Kauai (HI)
MAPE (MN)
Maryland United for Peace and Justice, Inc.
Mingas-NY
Minneapolis Regional Labor Federation (MN)
Minnesota AFL-CIO
Minnesota Building and Construction Trades
Minnesota Fair Trade Coalition
Minnesota Farmers Union
Minnesota Industrial Union Council
Minnesota Nurses Association
Minnesota Public Interest Research Group
Minnesota State Council of Machinists
Missourians Organizing for Reform and Empowerment
Montana Human Rights Network
Mothers on the Move / Madres en Movimiento (NY)
Move to Amend - Portland (OR)
Move to Amend - Rochester (NY)
Movement In Motion (NY)
New York Climate Action Group
Newground Social Investment (WA)
NH Veterans for Peace
Nicaragua Center for Community Action (CA)
NJ Youth United Against War and Imperialism
Nodutdol for Korean Community Development (NY)
North Central States Regional Council of Carpenters
North Coast Veterans for Peace Chapter (OR)
North East Area Labor Council (MN)
North Texas Jobs with Justice
Northern Plains Resource Council (MT)
Northwest Bronx Community & Clergy Coalition (NY)
Northwest Oregon Labor Council
NY4WHALES
NYC Friends of Clearwater (NY)
NYC Labor Coalition for Latin America Advancement (NY)
Occupy Coachella Valley (CA)
Occupy Harlem (NY)
Occupy Maine – Bath Brunswick Region
Occupy Wall Street Environmental Solidarity (NY)
Occupy Wall Street Outreach Working Group (NY)
Occupy Wall Street Special Projects Affinity Group (NY)
Occupy Wall Street Trade Justice Working Group (NY)
Office and Professional Employees International Union (OPEIU) Local 12 (MN)
Office and Professional Employees International Union (OPEIU) Local 8 (WA)
Operative Plasters & Cement Masons Local 783 (TX)
Oregon AFL-CIO
Oregon AFSCME Council 75
Oregon Alliance for Progress
Oregon Fair Trade Campaign
Oregon Machinist Council
PA 12CD Chapter of Progressive Democrats of American (PDA)
PA Fair Trade Coaltion
PA Progressive Democrats of America
PA State Electrical Workers Assoc.
Peace House (OR)
Pennsylvania Alliance for Clean Water and Air
Pennsylvania Council of Churches
People Over Pollution (CA)
Peopletech (FL)
Peruvians in Action (NY)
Philippine US Solidarity Organization (PUSO) (WA)
Pierce County Central Labor Council (WA)
Pittsburgh Anti Sweatshop Community Alliance c/o Thomas Merton Center (PA)
Plumbers Local 68 (TX)
Portland Central Amercian Solidarity Committee (OR)
Portland Jobs with Justice (OR)
Presbytery of the Twin Cities (MN)
Presentation Sisters, Aberdeen, SD
Professional and Technical Employees (PTE) Local 17 (WA)
Protest Barrick (PA)
Puget Sound Alliance for Retired Americans (WA)
Queerocracy (NY)
Racine Dominicans (MD)
Real Food Challenge (MA)
Regla do Oro (MN)
Rocky Mountain Peace and Justice Center (CO)
Rubaga Exchange on AIDS and Livelihood Support Group
Saint Paul Regional Labor Federation, AFL-CIO (MN)
San Antonio Central Labor Council, AFL-CIO (TX)
Sane Energy Project (NY)
Santa Barbara Progressive Coalition (CA)
Seattle CISPES (WA)
Seattle Education Association (WA)
Service Employees International Union (SEIU) 503, OPEU (OR)
Service Employees International Union (SEIU) Local 1199NW (WA)
Service Employees International Union (SEIU) Local 6 (WA)
Service Employees International Union (SEIU) Local 63 (MN)
Service Employees International Union (SEIU) Local 775NW (WA)
Service Employees International Union (SEIU) Minnesota State Council
Sheet Metal Workers Local 10 (MN)
Sierra Club Lone Star Chapter (TX)
Sierra Club Long Island Group (NY)
Sierra Club North Star Chapter (MN)
Sierra Club Santa Lucia Chapter (CA)
Sister of the Presentation, Fargo (ND)
SMART Sheet Metal Workers' Local Union 68 (TX)
Snohomish County Labor Council (WA)
Sol Fair Trade (WA)
South Sound Clean Clothes Campaign (WA)
Southeast Minnesota Alliance of Peace Makers
Southeast Minnesota Area Labor Council
Southern Oregon Jobs with Justice
Southwest Laborers' District Council (SWLDC) (OK)
Southwest Pipe Trades Association
SPEEA/IFPTE 2001 (WA)
Spirit Wolf Ranch, LLC (CO)
Spokane Regional Labor Council (WA)
St. Louis Inter-Faith Committee on Latin America (MO)
St. Paul Regional Labor Federation (MN)
St. Paul Area Local American Postal Workers Union (MN)
St. Pete for Peace (FL)
Stephanie Low Artists Inc. (NY)
Students for Labor and Economic Justice (CA)
Stulips Dance (OR)
Tarrant County Central Labor Council, AFL-CIO (TX)
Texas AFL CIO
Texas American Federation of Teachers
Texas Fair Trade Coalition
Texas Political & Legislative Committee
Texas State Association of Electrical Workers
Texas State Building and Construction Trades Council
Texas state council of machinists
The Chicago Religious Leadership Network on Latin America (IL)
The Forest Foundation
Trade Justice New York - Metro
Traditions Fair Trade (WA)
UNITE-HERE Local 5 (HI)
UNITE-HERE Local 8 (WA)
UNITE-HERE Minnesota
United Auto Workers Local 879 (MN)
United Auto Workers State CAP Council - Minnesota
United Food and Commercial Workers (UFCW) Local 1189 (MN)
United Food and Commercial Workers (UFCW) Local 21 (WA)
United Food and Commerical Workers (UFCW) 1189 (MN)
United Steel Workers District 11 (MN)
United Steel Workers Local 11-75 (MN)
United Steel Workers Local 2002 (MN)
United Steel Workers Local 264 (MN)
United Steel Workers Local 6115 (MN)
United Steel Workers Local 7263 (MN)
United Steelworkers 1188 (ME)
United Steelworkers District 12 (WA)
United Steelworkers Local 1016 (PA)
United Steelworkers Local 1688 (PA)
United Steelworkers Local 2599-06 (PA)
United Steelworkers Local 4-014 (ME)
United Steelworkers Local 4-9 (ME)
United Steelworkers Local 404 (PA)
United Steelworkers Oregon L & E Committee
United Steelworkers SOAR Chapter 10-1 (PA)
United Students Against Sweatshops - University of Texas
United Transportation Union, Minnesota Legislative District
University of MN Labor Education Service
Veterans for Peace, Austin, Chapter 66 (TX)
Veterans For Peace 071 (CA)
Veterans for Peace 115 (MN)
Veterans for Peace 159 (OR)
Vibrant Public Lands Project (NY)
Vocal-NY
Washington Community Action Network
Washington Fair Trade Coalition
Washington State Chapter of the Sierra Club
Washington State Labor Council
Washington Toxics Coalition
WashTech/CWA (WA)
Western Organization of Resource Councils (WORC)
Wetlands Activism Collective (NY)
Whatcom County Green Party (WA)
Wisconsin Fair Trade Coalition
Wisconsin State Council of Carpenters
Witness for Peace Northwest
Witness for Peace Southeast
Witness for Peace Upper Midwest
Women’s International League for Peace and Freedom-Maine Branch
Women's International League for Peace and Freedom-Portland, OR Branch
Worldview (NH)

ジェーン・ケルシー:大げさな報道とは裏腹に、日本のTPP交渉参加を望まないニュージーランド

安倍首相のTPP交渉参加意向表明の前、まだシンガポ-ルでの第16回拡大交渉会合が進行しているタイミングでのケルシ-氏のコメントです。シンガポ-ルでの状況についてはその後日本でも様々に報道されていますが、最も日本を意識してきた国の一つであるニュ-ジ-ランド政府の目線がどんなところにあるかを示唆するものでもあります。(翻訳:清水亮子/監修:廣内かおり)

▽ ▼ ▽

2013年3月10日(日)
緊急発表
ジェーン・ケルシー(談話)

大げさな報道とは裏腹に、日本のTPP交渉参加を望まないニュージーランド

新たに政権についた安倍首相は来週、TPP交渉参加を正式に申し入れたことを発表するとみられている。これにより、1年以上にわたって繰り返されてきた様々な憶測に終わりが告げられる、とシンガポールで最新のTPP交渉の行方を見守っているジェーン・ケルシー教授は言う。

「日本の発表によってTPP協定は、黄金律のアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)に一歩近づいたという主張が吹き荒れるでしょう。それは現実をごまかしています」とケルシー教授は語った。

「米国のオバマ大統領は、今年10月に交渉に決着をつけたいと考えています。米国がルールを作り直さない限り、それまでに日本が交渉のテーブルにつける見込みはありません」とケルシー教授は語った。カナダとメキシコがオークランド会合参加を承認されるまで1年以上かかったが、日本の加入はそれよりもさらに複雑だ、とケルシー教授は指摘した。

参加要請は、長く困難なプロセスの最初の一歩である。安部政権はすでに加盟している11カ国が関心をもつ各主要分野において、大きな抵抗や与党内の反乱、そして7月の参院選に直面しても日本は各国の期待に沿える、ということを各国に納得させなければならない。自民党は党の公約でコメ、牛肉、乳製品、砂糖といった重要品目を交渉から除外すると約束したが、これらは長年にわたって日豪自由貿易協定を暗礁に乗り上げさせてきた品目である。

カナダ、メキシコと同様、日本は受け入れることになる法的文書を見ることも許されないまま、これまでに合意されたことすべてを受け入れなければならない。

日本が加盟国すべてを満足させたら、その後、米国が議会に通告し、審理のプロセスを経るのにさらに90日がかかる。自動車産業や労働組合といった強力な勢力が日本の参加に反対して議会に詰めかけるだろう。

「ニュージーランド政府は日本の参加の要求について好意的に語りたがるでしょうが、実のところ、すべての重要な問題が解決するまでは日本に交渉のテーブルについてほしくないでしょう」とケルシー教授は言う。それには理由が2つある。日本は実質的な交渉力を持つ経済大国であり、保護するべき多くの重要な国内の利害がある。日本が積極的に参加すれば、交渉を複雑化させことになりかねず、現在目標とされている10月までの交渉妥結がはるか遠ざかるだろう。

「ニュージーランドにも重要なことですが、米国は日本が求めている重要な農産品の特恵待遇を支持する意向を示唆しました。それによって米国自身の交渉戦略が強化されるでしょう。すでに16回の会合がありましたが、米国は依然としてニュージーランドの乳製品輸出の実質的な市場参入についての議論を拒んでいますから」

「同時に、日本は経済的、政治的に大国ですから、決着した取り決めにただ署名するだけとは、とうてい考えられません。たとえ決着したTPP協定に従うとしても、重要品目については再交渉を求めるでしょう」
(翻訳:清水亮子/監修:廣内かおり)

2013年3月23日土曜日

「わたしたちは声をあげなければならない」大地を守る会がNO!

TPPで食の安全は守れるのか?大地を守る会は、こう考える。

2013年3月15日、安倍晋三内閣総理大臣は、TPP(環太平洋経済連携協定)に参加する旨、表明しました。

十分な説明責任を果たさず、国民との議論を経ない表明に疑問を感じるとともに、日本の食の安全が崩壊へと歩み出した事実に危機感をぬぐい去れません。

大地を守る会は、「農薬の危険性を100万回叫ぶより、1本の無農薬の大根を作り、運び、食べることから始めよう」をスローガンに、37年にわたり、生産者との顔の見える関係を築き、生活者の食の安全を守る活動を続けてきました。

こうした安全な食を求める人たちの活動の成果により、遺伝子組み換え食品、ポストハーベスト農薬、原産地の表示義務、残留農薬基準、BSE(狂牛病)検査基準などについて、日本は国際標準より厳しい食の安全基準を確立してきました。しかしそれも、TPPに参加することで、非関税障壁という名のもと、それらの基準の緩和や撤廃を迫られることになります。

また、海外から安い農産物や加工食品が大量に流入することも懸念されます。価格競争が激化することで、日本の農業従事者は窮地に立たされるでしょう。数十年かけて土作りをし、有機農業を実践してきた大地を守る会の生産者も、離農に追い込まれるかもしれません。

食料自給率が大幅に下落するとの試算も農水省から出されています。もし、世界的な人口増加や気候変動で、食糧不足に見舞われた際、日本は食料を自給し、国民を守っていけるのでしょうか。

食の安全性、持続可能な第一次産業、食糧安全保障など、わたしたちの生活の根幹が崩れることは明らかです。TPPにより生み出される新たな社会は、わたしたちが自信をもって、子どもや孫の世代に引き継げるものなのでしょうか。

答えは「NO」です。

だから、わたしたちは声をあげなければならないと考えます。

ただ、反対、反対、と考えているだけでは、なにも変わらないかもしれません。いま、必要なのは、わたしたちの生活者としての「誇りと強さ」をもつことです。それは、ちゃんとたべものを選び、食べることです。

「農薬に頼らず作った、たべもの」
「誰がつくって、どのように運ばれたかわかる、たべもの」
「余計な添加物が入ってない、たべもの」

ひとりの生活者として、
「ちゃんと、たべもの」のある生き方がいま、求められています。

大地を守る会

2013年3月19日火曜日

弁護士団体も「TPPにNO」自由法曹団が声明発表!

TPP交渉参加表明に抗議する

2013年3月16日
自由法曹団常任幹事会

 安倍晋三首相は、3月15日、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉に参加することを正式に表明した。私たち自由法曹団は、この交渉参加表明に抗議するとともに、すみやかに方針を撤回し、TPPへの交渉参加を見送ることを強く求める。

 TPPは、単に農産物に限られた問題ではない。医療、食の安全、国民皆保険制度、金融、公共調達、労働などあらゆる分野において規制を取り払うことにつながる問題である。例えば、韓国は、米国とFTA(自由貿易協定)を締結したが(昨年3月に発効)、昨年12月に米国の投資ファンドが米韓FTAのISD条項(投資家 -国家間訴訟条項)に基づき、国際投資紛争機関に韓国政府に対して巨額の賠償金を求めて提訴している。TPPに参加することで日本でも同様の事態が生じることが想定される。あらゆる分野の通商において規制を撤廃することにより、国民の生活に大きな支障が生じることが懸念される。

 こうした問題については、広く国民に説明して議論を積み重ねる必要があるが、安倍政権は十 分な説明をせず、意図的にコメなどに関税の例外が認められるかという農業問題に矮小化し、国 民的議論を行わないまま、まず交渉参加ありき、という姿勢で今回の交渉参加表明に至っている。 これは安倍政権がアメリカの要求に屈したからに他ならない。

 交渉参加表明にあわせて、国内産業に与える影響をまとめた政府統一試算を公表したが、前提の置き方次第でいくらでも数字が変わるものであり、交渉参加を正統化するための数字あわせの域を出るものではない。例えば、試算はすべての関税撤廃を前提とし、自動車などの輸出が増え、 給与が上がり消費が増えるとするが、すでに日本は米国の自動車関税維持を認めているし、企業 の利益が増えたとしても給与を増額するとは限らない。また、この試算によっても、約500兆 円である日本のGDPが3.2兆円増えるのみであるのに対し、7.1兆円の農業生産額が3兆円も 減ることになり、わずかなGDPの増加を得るかわりに農業に壊滅的な打撃を与えることが明白である。

 また、TPP交渉において、2010年までに参加した9カ国が、2011年11月に参加の 意向を表明したカナダ、メキシコに対し、すでに合意した条文は後発の参加国は原則として受け入れ、再協議も要求できないなどの不利な条件を提示したのではないか、との問題が生じている。 これに対しても安倍政権は、国民に問題を秘匿して交渉参加後十分交渉の余地のあるような説明をしている。国民を欺くものであって、許されない。

 そもそも自民党は、公約で「聖域なき関税撤廃を前提とする限りTPP参加に反対する」としてきた。これは明らかに、例外品目が認められなければ交渉のテーブルにつかないという意味であった。安倍政権は、2013年2月22日の日米共同声明において、「TPP交渉参加に際し、 一方的にすべての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではない」ことが確認されたとして交渉参加に踏み切っている。しかし、この日米共同声明の文言は、交渉のテーブルにつく際にすべての関税の撤廃を約束されるということまでは要求されず、例外の認められる余地が絶無ではないという意味に止まる。例外品目が認められる保障は現時点では何一つないのである。今回の交渉参加表明は、前回の衆議院選挙における自民党公約に明らかに反するものである。

 私たち自由法曹団は、国民に対してきちんと説明の上議論を求めるという民主主義の根幹を無視したうえ、公約にも違反して行われた、今回のTPP交渉参加表明に抗議し、すみやかに方針を撤回し、TPPへの交渉参加を見送ることを強く求める。私たち自由法曹団は、2011年7月に意見書「TPPはくらしと地域経済を破壊する」を発表して以来、各団体と連携してTPP参加反対の取り組みを行ってきた。今後も、広範な人々とともに、くらしを破壊するTPP参加阻止のために、いっそう奮闘する決意である。

遺伝子組み換えいらいない!キャンペーンがTPP交渉参加表明に抗議!

内閣総理大臣 安倍 晋三様
2013年3月19日

抗議声明 TPP交渉参加表明に強く抗議する

遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
天笠啓祐

 安倍総理が、多くの市民の反対を押し切ってTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉に参加表明したことに強く抗議するとともに撤回を求める。

1.遺伝子組み換え(GM)作物を用いた多国籍企業による種子支配、食料支配が進み、農業を破壊させ、食卓の危険性を増幅させ、食料主権を奪うTPPへの参加に反対する

 進行するグローバル化の象徴が、GM作物である。そのグローバル化をさらに徹底的に推し進めるために企図されているのがTPPである。
 国際アグリバイオ事業団(ISAAA)によると、2012年におけるGM作物の作付け実績は1億7030万haになり、世界の農地の10%を超えた。その大半がモンサント社であり、種子の独占化が進み、多国籍企業の食料支配が強まっている状況が示されたといえる。
 現在、世界で販売されている種子の74%を、わずか10の多国籍企業が支配するという寡占化が起きている(2009年)。しかも、トップ企業の米国モンサント社は27%を占め、米国デュポン社、スイスのシンジェンタ社のGM種子開発企業が上位を占め、その3社で53%を支配している。
 種子を支配し、食料を支配するためのGM作物開発であることが、いっそう明瞭になってきたといえる。それを後押ししているのが、米国の食料戦略であり、その有力な武器が貿易自由化圧力である。
 日本の農業はTPPによって、コメ、サトウキビなどの生産が破壊され、農業が支えてきた日本の原風景も無惨な姿に変えられることは必至である。その上、食卓も世界中から入ってくるGM食品によって支配されてしまう。

2.GM食品表示制度の撤廃やGM食品の安全性評価、生物多様性への影響評価など、基準や制度の緩和・撤廃を推し進めるTPPへの参加に反対する

 ニュージーランド紙は、米国政府の2011年度年次報告の中で、米国がTPPに参加し、食料輸出を推し進める際の最大の障壁が、他国の食品表示制度にあると指摘し、GM食品表示制度の撤廃圧力が強まっていることを伝えている。日本政府がTPP交渉に参加することは、GM食品表示の撤廃など、消費者の知る権利を奪う圧力が加わることを意味する。
 さらに、GM食品の安全性評価や生物多様性への影響評価の緩和または撤廃への圧力が加わることになる。すでに牛肉に関しては輸入条件が緩和され、BSE対策がほとんど行われていない米国産牛肉の大量流入が始まっている。食品添加物に関しては、米国で承認されているものが、次々と日本で承認されている。農薬の残留基準もまた、日本の厳しい基準を緩和して、緩やかな米国の基準に合わせることが求められている。さらに成長ホルモン剤や放射線照射食品の容認圧力、GM動物食品の容認圧力などが加わることも必至である。
 食の自給や安全が脅かされ、環境が悪化するだけでなく、米国産や遺伝子組み換えの表示もなくなるため、消費者は知ることも、選ぶこともできない状況に追い込まれることになる。このようにTPPによって、GM作物を通した多国籍企業による食料支配がさらに進み、私たちにとっては食の自給が奪われ、安全が脅かされ、環境が破壊される。
 私たちは、このようなTPPに反対し、安倍政権による交渉参加の発表に強く抗議する。
以上

「協定参加に反対!」主婦連合会が緊急アピール

2013年3月15日

TPPへの交渉参加に断固反対する緊急アピール

主婦連合会

 安倍首相は、多くの消費者・国民の反対を顧みることなく、本日3月15日、TPP交渉への参加を正式に表明されました。TPPは、従来の貿易協定とは異なり、日本社会に重大な危険や不利益をもたらす協定であることを踏まえ、主婦連合会は、次の理由から、安倍首相の参加表明に強く抗議するとともに、改めて、協定参加に反対を表明します。

1. TPPは、全ての物品関税の撤廃をはじめ、貿易障壁とされる「サービス」「制度」についても規制の緩和・撤廃を前提とするものです。協定交渉の対象は24分野にもわたり、医療・教育など、影響は広範囲にわたります。TPPは、消費生活をいっそう困難にさせ、暮らしをいっそう不安にさせます。

2. TPPは、消費生活の基本である「食の問題」を深刻化させ、食の安全政策を後退させ、日本の農畜産・水産業に壊滅的打撃を与え、自給率を急激に低下させます。「安全・安心」な食料政策とは反対の措置であり、食卓に不安をもたらします。

3. TPPは、あらゆる規格・基準を協定の対象にし、緩和・撤廃を促します。農薬残留基準といった食品の安全規格、環境保護基準、製品安全基準などの国レベルの各種基準をはじめ、地方公共団体が運用する地域の規格・基準についても例外ではありません。

4. TPPは、これまで消費者運動・市民運動などが勝ち取ってきたあらゆる制度導入の成果を台無しにする協定です。食品の表示制度や、環境保護制度、国民皆保険などの「医療・年金・介護・子育て」に関連する社会保障制度も大きく後退させます。改善が必要な遺伝子組換え食品や食品添加物の表示制度などについても、協定交渉の対象とされ、緩和・撤廃されます。

5. TPPは、私たちが望まない方向に経済構造の転換を図るものです。数百万人の雇用機会が失われるとの試算もあります。地域経済に重大な影響を与え、いっそうのコミュニティの崩壊を招きます。

以上

「TPP参加表明の撤回を」農民運動全国連合会が声明発表!

2013 年 3 月 15 日
農民運動全国連合会 会長 白石淳一

(声明) TPP交渉への参加表明に抗議し、撤回を要求する

一、安倍首相は本日、国民の強い反対を黙殺し、公約を裏切ってTPP交渉への参加を表明した。 阿倍首相は、あたかも交渉で国益を守れるかのように強調したが、「守るべきものを守れない」 のがTPPである。「日本を取り戻す」どころか「日本を売り渡す」安倍政権の参加表明に強い怒りをこめて抗議し、撤回を要求する。

一、安倍首相は「聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になった」というが、これは全くの欺瞞である。日米首脳会談で発表された「日米共同声明」は、「TPPのアウトライン」に示された「高い水準の協定を達成する」ことを日本に求めている。これは、関税と非関税障壁の 全面的な撤廃をアメリカに誓約したことにほかならない。それは、アメリカ政府が「共同声明」 後に農業界に「日本は全ての農産物関税を撤廃するという米国の目的を理解した」と説明し、 業界が歓迎していると伝えられていることからも明らかである。
 TPPは自民党自身が総選挙で掲げざるを得なかったように、医療や食の安全、官公需発注、 ISD条項など多岐に及ぶが、これらは何ら守られる保障がない。アメリカと強欲な多国籍企業の儲けのためのルールが押し付けられることは明白である。

一、さらに重大なのは、新たに参加する国には対等に交渉する権利が与えられていないことである。2012 年 12 月にTPP交渉に新たに参加したメキシコとカナダは、1)事前に交渉テキストを見ることも、2)すでに確定した項目に対する修正を求めることも認められず、新たな提案もできない、3)将来、ある交渉分野について9カ国が合意した場合、その合意に従う、4)交渉を打ち切る権利を放棄する──という条件を誓約して参加が認められた。この問題を国会で追及された安倍首相は、「判然としない」「ぼやっとしている」とごまかしたが、否定できなかった。 3月4日から13日までシンガポールで行われた第16 回TPP交渉の席で、米国の貿易担当官 は同様の条件で「日本と合意している」と発言したことも明らかになっている。
 自民党は、農産物5品目や国民皆保険制度などの聖域確保を優先し、それができない場合は TPP交渉から脱退も辞さないと決議し、安倍首相の参加表明を後押ししたが、聖域を守ることも、脱退することもできるはずがない。公約違反をごまかすためのものでしかない。「国益」 を主張する機会さえ与えられず、アメリカなど9カ国の「合意」が押し付けられるだけである。

一、政府は、TPP参加表明とあわせて影響試算を発表した。試算によれば、輸出拡大などで 10 年後に国内総生産(GDP)を 0.66%押し上げ、3 兆 2000 億円の経済効果があるとし、米など主要な農産品の関税撤廃で農業生産額が 3 兆円減少するとしている。試算の内容は信憑性が乏しいといわなければならないが、農業生産が壊滅的影響を受けることだけは明白であり、 “農業生産が破壊されても輸出が増えて相殺されるからかまわない”という農業犠牲の立場が 貫かれていることは絶対に容認できない。

一、安倍首相はTPP交渉参加を表明したが、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなど、他のTPP交渉参加国との2国間協議と承認も残されている。かりに交渉が妥結し、協定がまとまったとしても国会での批准手続きも必要である。

たたかいはこれからである。農民連は、TPP参加反対の一致点での共同を草の根をかきわけて広げに広げ、断固阻止するために奮闘するものである。
以上

日本消費者連盟が声明発表「参加表明の撤回を!」

2012日消連第35号
2013年3月15日

内閣総理大臣 安倍晋三 様
TPP担当大臣 甘利明 様
特定非営利活動法人 日本消費者連盟
共同代表運営委員
天笠啓祐、古賀真子、真下俊樹、山浦康明

抗議声明と撤回要請
「安倍首相のTPP参加表明に抗議し、参加を撤回することを求めます。」

 安倍首相は国民の反対を押し切り、2013年3月15日、TPP協議に日本政府が参加することを正式に表明した。日本消費者連盟は去る2月25日、安倍首相が日米共同声明にかこつけて、国民をだまし、2012年12月の自民党の選挙公約に違反して、参加へむけて一歩踏み出したことに抗議したが、農業はもちろん、それにとどまらず、様々な分野の国民生活にアメリカ仕様のルールを押し付けられるTPP交渉への参加は許されない。また、就任直後に堂々と公約破りをすることは民主政治の根幹にかかることであり、絶対に許されない。TPP交渉に正式に参加表明したことに断固抗議し、ただちにこれを撤回することを求める。


1.早期に参加してルール作りを主導するなどと見栄を切っているが、年内合意を目指しているTPPのこの後の参加国協議は5月、7月、あるいは9月だけである。日本が仮に交渉参加を申し出ても、米国議会によって参加が認められるのは早くて90日後であるから、実際に協議に参加できるのは9月の1回のみとなる可能性が高い。かつ、合意済みの事項をリオープンしてはならない(蒸し返せない)という原則を飲まされるとしたら、日本に残された交渉の余地は限りなく小さく、交渉の余地は殆どない不利なものである。後から交渉参加国に加わった、メキシコ、カナダの例をみてわかるように、後から参加した国はすでに議論された自由化の結果を黙って受け入れることしかできない。交渉の余地もなく国民にそのつけだけが押しつけられる。しかもTPP交渉にいったん参加したら、「途中撤退」という選択肢はあるのか疑問である。

2.米など一部農産物などの品目を関税撤廃の例外とする、との安倍首相の主張はごまかしである。たとえ数年間関税賦課がみとめられたとしても数年間の猶予にすぎず、早晩関税をゼロにせざるをえなくなり、日本農業を壊滅させることは明白である。

3.すでに米国とのTPP事前協議においても、日本は交渉力のなさを露呈している。米国での日本車の輸出にはこれからも25%の関税(トラックの場合)を許すなど日本は米国へ大幅に譲歩するばかりである。政府がメリットという工業製品の輸出拡大は絵に描いた餅にすぎない。

4.また、非関税障壁をめぐる事前協議において、米国産牛肉の輸入条件は30ヶ月齢以下の牛の牛肉製品へと譲歩させられた。今後も米国のいいなりで、食の安全基準を引き下げ、国民皆保険制度をゆるがし、政府調達においては米国企業にまで参入を保障する。こうしたやり方で国の制度を崩壊させることが国益に真っ向から反することは明らかである。

5.ISD条項がTPPには盛り込まれるおそれがあり、国家主権が侵害され、多国籍企業の利益ばかりが優先される。国民国家や国民の存在そのものを否定し国のあり方を変えてしまうような、多国籍企業のための条項は認められない。

6.交渉内容が4年間も公開されないなど秘密裡とされ、一部の大企業の声が交渉に反映するばかりだ。情報については、メリット・デメリットのデータを本日一部公開したのみであり、これは人々に交渉参加の是非を検討させる気が全くないことを示しており、民主主義に反する。

連絡先:169-0051 東京都新宿区西早稲田1-9-19-207
Tel 03-5155-4765 
Fax 03-5155-4767


全日本民主医療機関連合会が参加表明に抗議&協定参加に反対!

2013年3月16日

TPPへの交渉参加に断固反対する緊急声明

                   全日本民主医療機関連合会
会長 藤末 衛

 安倍首相は、多くの消費者・国民の反対を顧みることなく、昨日、TPP交渉への参加を正式に表明した。TPPは、従来の貿易協定とは異なり、日本社会に重大な危険や不利益をもたらす協定であり、日本をこれまで以上にアメリカの属国化させ、日本の主権を奪うことにつながる。全日本民医連は、次の理由を持って、安倍首相の参加表明に強く抗議するとともに、改めて、協定参加に反対を表明するものである。

1. TPPは、全ての物品関税の撤廃をはじめ、貿易障壁とされる「サービス」「制度」についても規制の緩和・撤廃が前提である。協定交渉の対象は21分野にもわたり、医療・教育など、影響は広範囲にわたっている。TPPは、これまで以上に医療崩壊をすすめ、国民皆保険を空洞化させるものである。

2. TPPは、消費生活の基本である「食の問題」を深刻化させ、日本の農畜産・水産業に壊滅的打撃を与え、自給率を急激に低下させるものである。自らの食料は自らが守るという国の基本を壊し、食の主権に対する重大な侵害をもたらすものである。

3. TPPは、あらゆる規格・基準を協定の対象にし、緩和・撤廃を促すものである。農薬残留基準といった食品の安全規格、環境保護基準、製品安全基準などの国レベルの各種基準をはじめ、地方自治体が運用する地域の規格・基準についても例外ではない。

4. TPPは、これまで国民的運動によって勝ち取ってきたあらゆる制度導入の成果を台無しにする協定である。環境保護制度、国民皆保険などの「医療・年金・介護・子育て」に関連する社会保障制度を大きく後退させ、改善が必要な遺伝子組換え食品や食品添加物の表示制度などについても、協定交渉の対象とされ、緩和・撤廃されるものとなる。

5. TPPは、圧倒的な国民に不利益を与え、国のあり方を大きく変えるものである。数百万人の雇用機会が失われるとの試算もあり、地域経済に重大な影響を与え、いっそうのコミュニティの崩壊を招きくものである。

6. 安倍首相は、国益に合わない場合は、「撤退」もあり得ると表明したが、すでに交渉のほとんどは決まっており、日本が口を挟む余地はない。詭弁を弄し、国民をだますものであり、明らかな公約違反である。

全日本民医連は改めて、安倍首相の「参加」表明に強く抗議し、直ちに撤回を要求するものである。

以上

パルシステムが参加表明に抗議──地域社会の営みを崩壊させるTPPにNO!

2013年3月15日

パルシステムはTPP(環太平洋連携協定)交渉参加表明に抗議します

パルシステム生活協同組合連合会
理事長 山本 伸司

 2013年3月15日(金)、安倍晋三総理大臣はTPP(環太平洋連携協定)交渉への参加を表明しました。パルシステムは、TPP交渉参加表明に対して強く抗議します。

 TPP交渉は、各国民に交渉内容が開示されません。これは、公開されるとダメージを与える内容について当事者に議論させないという非民主的な進め方といえます。さらに日本における食の安全基準、農薬基準、遺伝子組み換え表示基準など先進的な安全規制を非関税障壁として問題視する国もあると伝えられています。こうした日本が積み上げてきた食と農の先進性を引き降ろそうとする交渉には断固反対します。

 また医療の国民皆保険、自動車の安全基準をはじめとした安全への法的規制も貿易のために緩和させるとする要求も伝わってきています。こうしたことが優先されれば、市民のくらしの安全に重大な危惧をもたらします。

 パルシステムグループは「心豊かなくらしと共生の社会を創ります」をグループの理念として掲げ、助け合いの精神を基本として、お互いの信頼を基礎とする産直事業、一人ひとりが安心して暮らすことのできる社会づくりに取り組んでいます。2011年に当時の菅総理がTPP交渉参加の方針を表明して以降、見解の発表や反対署名の呼びかけ、政府への申し入れ、各種学習会の開催、他の組織や団体と協力した反対集会などの活動を行ってきました。

 これまでに伝えられたTPP交渉の報道等を踏まえれば、TPP交渉に参加することは日本にくらす人々ならびに地域社会の営みを崩壊させる危険性が高いことがみえてきました。しかも、菅総理の表明からすでに2年以上経過した現在もなお、TPPの全体像は国民には明らかにされておらず、十分な国民的論議も行われていません。

 TPPは、今後の日本社会全体にとっても問題の多い協定と考えます。日本のTPP交渉への参加に対してあらためて反対の意思を表明するとともに、今回の政府の交渉参加表明に対し強く抗議します。

以上

「公約破り」全国労働組合総連合がTPP交渉参加表明に抗議

2013年3月15日
全国労働組合総連合
事務局長  小田川 義和

公約破り、くらし破壊のTPP参加に断固反対する
- 安倍首相のTPP交渉参加表明にあたっての談話 -

 本日の記者会見で安倍首相は、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉に日本が参加することを表明した。

 アメリカなど11カ国が締結をめざして交渉を進めているTPPは、「包括的で高い水準」の経済連携をめざすものとされる。「ヒト、モノ、カネ」の国境を越えた移動をより容易にするため、全ての物品を対象にした関税の撤廃と、非関税障壁撤廃の口実であらゆる分野での制度的な「調和」、安全規制の緩和等がめざされている。それは、多国籍化した大企業にとっては市場の拡大を意味するものの、労働者・国民には国境を越えた労働、生活条件の引き下げ競争の激化が強く懸念されるものである。

 TPPは単なる貿易協定ではない。国民の安全・安心を確保すべき国の役割を変化させかねない協定であり、国民主権とかかわっている。
 にもかかわらず、この間、日米両国政府の事前協議の内容などはほとんど明らかにされず、与党内の手続きのみが優先されて国民への説明も十分になされていない。事柄の重大性に比べ、政府の対応はあまりに粗雑で、国民軽視だと言わざるを得ない。

 自民党は先の総選挙で、TPP交渉参加の「条件」として、①「聖域なき関税撤廃」を前提にした交渉には参加しない、②工業製品の数値目標は受け入れない、③国民皆保険制度を守る、④食の安全基準を守る、⑤ISD条項は合意しない、⑥政府調達・金融サービス等は、我が国の特性を踏まえる、との6点を公約している。

 この内、2月23日の日米首脳会談で、安倍首相が確認したとするのは、①の点だけである。それも、交渉の入り口での確約を求めない、というものであり、約900項目とも言われる関税措置の聖域は確約されていない。それだけでなく、首脳会談で安倍首相は自動車部門や保険部門などの非関税障壁に対処することを確約し、それを受けてアメリカからの輸入車の安全審査の緩和に「合意」し、これが交渉参加表明の「手土産」だと指摘されている。
 これらの点からして、TPP交渉への参加表明は明白な公約破りである。

 安倍首相は、「この機を逃せば議論する権利を失う」とし、交渉参加表明をおこなった。しかし、3月13日に、米通商代表部が出した声明では「関税や情報通信、規制の調整、開発などの分野では(交渉は)大筋合意」したと述べている。しかも、TPP交渉に後から参加する国は、既に合意された事項の無条件承認が求められることも明らかになっている。

 議論の機会(=交渉の余地)は極めて乏しく、農産物の関税撤廃からの「聖域化」や、公的保険制度の現状維持、様々な安全基準の維持、公共調達発注の国内優先などの見直しをTPP参加の条件として押し付けられる危険性は極めて大きい。

 国民的な論議を尽くす努力もせず、自らが掲げた公約をわずか3ヶ月で反故にして、一部の大企業の経済活動の自由を保障するためだけのTPP交渉への参加表明に強く抗議する。全労連は、TPP参加反対の立場でたたかい抜くことを改めて表明する。

「TPP交渉参加表明の撤回を」新日本婦人の会が首相に要求!

2013年3月16日 
内閣総理大臣
安倍 晋三 様

新日本婦人の会
会長 笠井貴美代

TPP交渉参加表明につよく抗議し、撤回を求めます

 3月15日、安倍首相はTPP交渉への参加を表明しました。農林漁業や医療関係者、消費者や労働者など日本のあらゆる階層・分野、全国各地の自治体ぐるみで上がっている「TPP参加やめよ」の声をふみにじったことに、新日本婦人の会は怒りを込めて抗議し、安倍政権が参加表明を撤回するようつよく要求します。

 安倍首相が「守るべきものは守る」と国民に何遍くりかえしても、いったんTPP交渉に参加したら「守るべきものが守れない」ことは、この間の事実が示しています。日米首脳会談で確認されたことは、関税と非関税障壁の聖域なき撤廃の原則でした。しかも、昨年交渉に参加したカナダとメキシコは、すでに9カ国で合意した条文はすべて受け入れる、将来の交渉も9カ国が合意した場合は拒否権はなくその合意に従う、交渉打ち切りの権利は後参加国にはない、などきわめて不利な条件を受け入れ参加したのです。安倍首相は「世界のルールづくりから取り残される」といいますが、ルールづくりどころか、すでに合意ずみのルールは変更できないことを首相自身が認めているのです。こんな屈辱的なルールに、経済発展の著しい中国・韓国・インドネシアの3カ国は参加していません。

 すでに日本はアメリカの強い圧力に屈して、2月からBSE対策を緩和し、検査なしの危険なアメリカ産牛肉の大量輸入を解禁しました。同じように、TPP交渉への参加では、食料自給や食の安全、医療や雇用、環境など日本の国民生活のあらゆる分野にアメリカ基準が持ち込まれ、長年、日本の女性・消費者運動や市民運動が築き上げてきた独自の制度が壊されます。TPP参加は「大きなチャンス」どころか、日本を強欲なアメリカ多国籍企業の莫大なもうけの市場にし、日本の一部大企業が海外で利潤をむさぼることをねらっています。これほど売国的な政治、これほど強者のための政治が、日米同盟強化の名でおこなわれるなら、そのおおもとである安保条約をなくすしかありません。

 安倍首相によるTPP交渉参加の表明は、先の衆議院選挙で「大勝」した自民党と議員が約束した公約をすべて投げ捨てることです。有権者はぜったいに許さないでしょう。

 新日本婦人の会は、国のあり方を大転換させるTPPの危険なねらいを広く女性・国民に知らせ、TPP参加反対の一点で共同をひろげる決意であることを表明し、安倍政権に重ねて交渉参加表明の撤回をきびしく求めるものです。 

2013年3月14日木曜日

FTA手続きは欠陥だらけ?!──タイの23市民団体が首相に投じた書簡

タイの市民団体23団体から首相に宛てたタイ・EUのFTA交渉開始にあたっての書簡を紹介します。タイはすでにTPPへの参加意向の表明をしており、今回のEUとのFTAもTPPに連なる内容を含んでいることが読みとれます。具体的な分野・条項に付いての市民社会の立ち位置を明らかにしており、私たちの反TPPの運動に対しても示唆を与えてくれます。(翻訳:田中久雄/監修:廣内かおり)

▽ ▼ ▽
2013年2月28日

タイ国首相インラック・シナワトラ(Yingluck Shinawatra)閣下


来たる3月6、7日、タイ・EU間自由貿易協定第1回会合の交渉のため、代表団とともに閣下がブリュッセル(ベルギー)を訪問されることに関し、また、この交渉を10回の会合、1年半以内で妥結して議会の承認を求め、一般特恵関税制度(GSP)が失効する2014年に間に合わせるという政府の早急なスケジュールに関し、FTAウオッチ(FTA Watch)、市民社会組織、学識者のグループ、市民団体、NPOを含む28団体はこれまで、政府関係機関と貴下の政府にわれわれの懸念と勧告を提言してきた。(※Generalized System of Preferences:輸出増・産業育成のため途上国からの輸入品に特恵税率を適用する制度)

タイ・EU自由貿易協定(FTA)は、これまでの他の自由貿易協定では議論されなかった問題が複数含まれるだろう。医薬品や生物多様性における知的所有権、海外投資の保護及び国家と民間セクターとの国際紛争解決のための仲裁、健康に有害な商品(アルコールやたばこなど)を含むすべての問題は、様々な局面で重大な影響を及ぼす。それゆえに、憲法第190章(Constitution’s Section 190)により、議会の承認と審議プロセスを踏むことが必要である。

しかしながら、これらすべての手続き、すなわち公聴会、交渉準備、交渉枠組みの起草、そして内閣と議会による審議は、欠陥だらけであり、交渉枠組みの内容も同様だった。長期にわたる社会への悪影響に関するいくつもの懸案事項や国家予算に及ぼす1,000億バーツの損失は無視された。むしろ政府は、一般特恵関税制度の失効に気を配っているが、それは短期的利益であり、しかもごくわずかの特権的企業グループに限られており、失効してもたかだか800億バーツの負担にすぎない。

議会の前で宣誓された貴下の国内政策に照らし、自由貿易協定によって利益を得る人たち、悪影響を受ける人たち、そして一般の人たち、それぞれにとって公正であることを認識することによって、国民全体がタイ・EU自由貿易協定から真の利益を確実に獲得する目的で、われわれはインラック・シナワトラ首相、並びにタイ・EU自由貿易協定のタイ側交渉団長Olarn Chaipravat氏に対し、タイ・EU自由貿易協定の交渉団が、次のような確固たる交渉の立場を社会的に約束することを求める。

1. タイ政府は、特許期間の延長(patent term extension)、情報の独占(data exclusivity)、国境措置(border measures)を含むTRIPSプラス(TRIPS-plus)条項として知られるWTO(世界貿易機関)のTRIPS(知的所有権の貿易に関する協定)よりも厳しい、知的所有権に関するタイ・EU自由貿易協定交渉の内容を受け入れてはならない。また、「生物の多様性とTRIPSに関する協定」(TRIPS Agreement and Convention on Biological Diversity)においてすでに織り込み済みであることから、現在の生物多様性保護法は変更なく存続されなければならない。

2.投資の章における国際紛争解決メカニズムを、公共的利益、環境保護、そして、公衆衛生、インフラ、安全保障についての政策を保護するための社会投資、政策実行及び立法に関する紛争に対して適用するべきではない。

3.天然資源、農業、養殖業、植物の繁殖及び食の安全に影響を及ぼす投資は、制限されなければならない。

4.アルコールとタバコは、交渉対象から外さなければならない。

5.各交渉会合の事前と事後に、全利害関係者が参加する協議を開催しなければならない。この協議会合において、交渉団は交渉における(政府の)立場と交渉の進捗状況を明らかにするとともに、利害関係者との協議から得た勧告を考慮し、且つ全利害関係者の異なる利益を調和させつつ、勧告に従わなければならない。

すべての下記に署名した団体は、インラック・シナワトラ首相及びタイ・EU自由貿易協定のタイ側交渉団長Olarn Chaipravat氏が、自由貿易協定の悪影響が国全体及びすべてのタイの人々に及ぶことを慎重に考慮すべきであることを繰り返し要望したい。貴下たちは今、そして次世代のタイ国民に代わって交渉しているのであり、タイの国民全体の利益がごくわずかな民間企業グループの利益の取引材料にならないことを保証することは、貴下たちの責務である。

敬具

【団体一覧】
准教授 Sumlee Jaidee、FTAウオッチ(FTA Watch)、エイズとともに生きる人々のタイ・ネットワーク(The Thai Network(TNP+))、ストップドリンク・ネットワーク(Stopdrink Network)、もう一つの農業ネットワーク(Alternative Agriculture Network(AAN))、貧民連合(Assembly of the Poor)、4地域のスラム・ネットワーク(4 regions of Slum Network)、腎機能不全患者グループ(Renal Failure Patient Group)、ガン患者グループ(Cancer Patient Group)、エイズに関するタイNGO連合(Thai NGO Coalition on AIDS)、エイズ・アクセス基金(AIDS ACCESS Foundation)、エイズ患者の権利基金(Foundation for AIDS Rights)、消費者のための基金(Foundation for Consumers)、地方薬剤師基金(Rural Pharmacists Foundation)、地方薬局協会(Rural Pharmacy Association)、医薬品研究グループ(Drug Study Group)、バイオ・タイ基金(Bio Thai Foundation)、生態系のための警戒と修復-タイ(Ecological Alert and Recovery-Thailand(EARTH))、タイ総合健康基金(Thai Holistic Health Foundation)、アルコール依存症のための労働者コミュニティー(Labor Community Affected by Alcohol)、バンコク・アルコールの危険を監視するネットワーク(The Network of the Alcohol`s Surveillance in Bangkok)、新たな酒飲者を守る若者ネットワーク(The Youth Network of the New Drinkers` Protection)、危害削減のための労働ネットワーク・12D(Harm Reduction Working Network(12D))、南東アジアたばこ抑制連合(SEATCA) (Southeast Asia Tobacoo Control Alliance(SEATCA))

写し送付先:商務大臣Boonsong Teriyapirom氏 
写し送付先:タイ・EU自由貿易協定交渉団長 Olarm Chaipravat氏

(翻訳:田中久雄/監修:廣内かおり)

2013年3月9日土曜日

生活クラブ共済連が“改めて反対”を表明!


生活クラブ共済連は、安倍首相が近日中にTPP交渉参加表明をするとの動向に対し、あらためてTPP交渉参加に反対する緊急声明を本日3月7日に発表しました。

201337 

TPPの交渉参加に改めて反対を表明します 

生活クラブ共済事業連合生活協同組合連合会 
会長 福岡 良行 

生活クラブ共済連は、市民の生活を脅かすTPP(環太平洋経済連携協定)の交渉参加に改めて反対を表明します。 

安倍晋三首相は222日にアメリカのオバマ大統領と会談し、両首脳の共同声明で、TPPは全ての関税撤廃を前提とするものではないことが確認され参加を阻害する条件が除かれたとの報道がなされています。また、228日の施政方針演説では「政府の責任で判断する」としており、TPP交渉への参加表明を近く行なうとの報道もあります。 

今回の日米首脳による共同声明では、自動車とともに保険分野の市場開放が懸案事項に挙げられており、日本のTPP交渉参加に向けた日米2国間協議で引き続き議論されることになっています。保険分野では政府が株式を保有する日本郵政グループの事業拡大が、外資系企業の不利益になると懸念し、簡保・郵貯の民営化を進めながら外資が占めるがん保険業界の利益を確保することが交渉参加の「入場料」として求められています。これを皮切りに、かねてからアメリカ政府やアメリカ企業の出先機関である在日米国商工会議所(ACCJ)が日本に対して要求してきた共済を保険と同じ競争環境に置くことにつながっていくことは明らかです。

市民の相互扶助のしくみである共済制度は、その組織を構成する人々が主体的で民主的に決めるべき問題です。311日の東日本大震災からまもなく2年目を迎えますが、被災地では多くの人々が自分たちの暮らしや地域社会の復興に向けてたすけあって暮らしており、市民の相互扶助のしくみである共済が再評価されています。私たちは共済の存続を危うくし、農林水産業や、医療、食の安全など、人々の生活と自治を阻害するTPP参加に強く反対します。

以上

生活クラブ連合会が反対声明発表!

生活クラブ連合会(生活クラブ事業連合生活協同組合連合会)は、安倍首相が近日中にTPP交渉参加表明をするとの動向に対し、あらためてTPP交渉参加に反対する緊急声明を本日3月7日に発表しました。

2013年3月7日

緊急声明 TPP交渉参加に改めて反対します
 
生活クラブ事業連合生活協同組合連合会
会長 加藤好一

安倍首相は2月22日にオバマ米大統領と首脳会談を行ない、TPP交渉参加について「日米共同声明」を発表しました。首相は会談後の記者会見で「『聖域 なき関税撤廃』が前提ではないという認識に立った」とし、「なるべく早い段階で決断したい」と述べました。3月上旬にも交渉参加を表明する見込みと報道さ れています。

私たちはこれまでも、TPP交渉参加に反対する見解とその理由を表明してきましたが、この間の政治状況をふまえ、TPP交渉参加にあらためて反対する緊急声明をここに発表します。

  日米共同声明の冒頭には、「全ての物品が交渉の対象とされる」と明記されており、TPPが「聖域なき関税撤廃」を「前提」とした交渉であることは明らかで す。交渉の“入口”におけるこの「前提」の問題を煙にまくために、日米共同声明は、「最終的な結果は交渉の中で決まっていくものであることから、TPP交 渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではない」と続けることで、交渉の“出口”における結論の行方 に話をすり替えています。

自民党は、2012年12月の衆議院選挙において、「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、TPP交渉参加に反対します。」との政権公約を掲げて政権 に復帰しました。「聖域なき関税撤廃」を「前提」とした交渉への参加を表明するにあたり、「『聖域なき関税撤廃』が前提ではないという認識に立った」と詭 弁を弄して国民を裏切ることは、許されることではありません。政権公約には、「外交を取り戻す」と威勢の良いキャッチフレーズがありますが、TPP交渉へ の参加は“外交を売り渡す”に等しい悲惨な結果をきっと招くことでしょう。
私たちは求めます。日本政府が何よりも優先して取り組むべきは、東日本大震災と福島第一原子力発電所の過酷事故からの地域復興を進めるための政策の実施で す。そして、日本の食と農を守り育て、食料自給力を強めるための政策です。TPPは、これらの政策に逆行し、震災から立ち直ろうと努力する人々の希望を打 ち砕く選択です。

私たちは、日本の食と暮らし、いのちを守るために、志を同じくする全国の諸団体とともに、TPP交渉参加に反対する運動に取り組みます。

2013年3月6日水曜日

つながろう!TPPについて語ろう!STOP TPP!! 市民アクション各団体のスケジュールを一挙公開!

「STOP TPP!! 市民アクション」賛同団体が、次々とイベント・連続講座などを実施しています。

【STOP TPP!! アクション・イベント一覧】


2013年3月3日日曜日

新日本婦人の会がTPP交渉参加に“待った” !共同よびかけ


 安倍政権によるTPP交渉参加への暴走を許さず、参加阻止へさらに運動を強め、共同をひろげましょう

 
 222日、安倍首相はオバマ大統領との日米首脳会談で、平和や安全を願う多くの国民の声を踏みにじって、日米同盟の強化を確認、集団的自衛権の行使や辺野古の新基地建設、原発再稼働・推進を約束しました。また、国民生活のあらゆる分野に深刻な打撃を与えるTPP交渉参加へ大きく踏み出したことは、断じて許されません。
安倍首相は、TPPに関する日米共同声明では「聖域なき関税撤廃が前提ではないことが明確になった」と強弁し、マスコミを利用しながら参加へのレールを敷こうとしています。しかし、声明は「全ての物品が交渉の対象」「関税および非関税障壁の撤廃」が原則であることを再確認しただけで、首相の発言は国民をあざむくものです。自民党は先の総選挙で「食の安全安心の基準を守る」など、TPPに関する6項目の公約をかかげて「大勝」しました。政府自身、国会でこれらの公約が共同声明に入っていないことを認めており、TPP交渉参加に突き進むことは、政党としての責任を放棄するものです。
TPPは、「関税の撤廃」によって農林水産業や関連産業などが壊滅的な打撃を受けるばかりか、「非関税障壁の撤廃」によって、食品添加物や残留農薬基準、遺伝子組み換え食品の緩和など「食の安全」が脅かされ、国民皆保険制度や雇用など国民生活のあらゆる分野に深刻な問題をもたらします。さらにISD(投資家対国家紛争)条項によって、地場産食材の使用や地元業者への発注など、国内のさまざまなとりくみや制度・基準の変更が迫られ、国の主権さえ脅かされます。
政府がTPPについて国民にも国会にも十分な情報開示をせず、議論もないまま、参加表明することは絶対に許されません。TPP参加阻止の一点でさらに広範な人たちとの共同をひろげ、断念させるまで運動を強める決意です。

2013227
新日本婦人の会
 中央常任委員会

2013年3月1日金曜日

農民運動全国連合会がTPP交渉参加決断にNO!

TPP 交渉参加決断は許されない

2013 年 2 月 23 日 農民運動全国連合会会長 白石淳一

一 安倍首相はオバマ大統領との首脳会談を通じて、TPP 交渉参加に踏み出す意向を表明した。農業・医療・建設・消費者・法曹など国民の多数が TPP 交渉参加に反対し、地方自治体議会の 9 割以上が反対・慎重の決議をあげているにもかかわらず、それらを押し切って日米首脳会談の場で交渉参加に踏み出すなどという暴挙を絶対に許すわけにはいかない。

一 発表された「日米TPP共同声明」なる文書では、冒頭に「すべての物品が交渉の対象とされる」と明記され、TPP交渉参加国が確認している「TPPのアウトライン」にもとづく協定を達成することを確認している。「TPPのアウトライン」は「関税ならびに物品・ サービスの貿易および投資その他の障壁を撤廃する」ことを明記しているのであり、「アウトラインの達成」とは、関税と非関税障壁の「聖域なき」撤廃にほかならない。

一 共同声明は「特定の農産物」の「重要性」(センシティビティ)に言及し、「一方的 にすべての関税を撤廃するよう事前に約束することを求められるものではない」としている。安倍首相は、これを根拠に「TPPでは聖域なき関税撤廃が前提ではないことが明確になった」と述べている。しかし、これは、重要品目を例外扱いにすることを認めたものでは毛頭なく、交渉の中で“言うだけは言ってみる”ことを認めた程度のものにすぎない。

一 もともと自民党が総選挙で国民に公約したのは1「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り交渉参加に反対、2自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない、3国民皆保険 制度を守る、4食の安全安心の基準を守る、5ISD 条項は合意しない、6政府調達・金融サービス等はわが国の特性を踏まえる――の 6 項目であった。第 1 の関税撤廃問題も空手形になる可能性が高いが、他の5項目については安倍首相が一方的に説明しただけで終わっている。しかも共同声明は、自動車や保険を含む非関税障壁の撤廃でアメリカが圧力をかける余地を残しているのである。

農業だけではなく、医療、食の安全、地域経済、経済主権に重大な打撃となるTPP交渉参加に踏み切るのは、重大な公約裏切りであり、安倍自公政権が数の力で暴走するなら、民主党政権同様、国民との矛盾を広げ、早晩破たんすることは避けられない。農民連はTPP反対の一点での共同をさらに強め、TPP参加阻止の運動の先頭に立つ。

一 日米首脳会談では、TPP のほか、沖縄の新基地建設、集団的自衛権の行使、原発再稼働を約束するなど、日本国民の民意に背く異常な対米追随ぶりが浮き彫りになった。農民連は、TPP 参加反対、原発即時ゼロ、普天間基地の無条件撤去、憲法改悪反対など、一 致する要求にもとづく広範な国民の運動の一翼を担って奮闘する。

以上